新緑も眩しい季節、瑞々しい新芽や若葉を見上げていると枝先からゆらゆらとぶら下がっている…花?のようなもの。撮影して調べてみたところ、どうやらクヌギの雄花のようです。
撮影時はすでに開花しきって少し茶色く枯れたようになっていましたが、ライトグリーンの小さな花が連なった細いひも状なのであまり目立ちません。
雌花の方は枝の根元にさらに目立たぬように存在し、ちょっと見つけづらいところ。雌花の部分が大きくなるとドングリになる、というわけですね。
クヌギ:ブナ科コナラ属、日本、台湾、中国、インドシナ、ヒマラヤなどが原産地とされ、雑木林の代表樹木、カブトムシやクワガタの集まる木、ドングリの木として知られていますね。
クヌギには橡・椚・櫟など当てられる感じも複数ありますが、語源としては国の木→国木、葉や実が栗に似ているから栗似木、ドングリを食用としたことから食乃木(クノギ)と呼ばれた、といった言われもあります。
切り倒しても20年で元に戻ると言われるほど成長が早く再生力が高い樹木で、かつては薪炭やシイタケの原木にも重宝され、生活に密着した植物でもありました。
公園や林にもよく見かけますが、大抵は樹高が高いので、開花自体に気づくことは少ないかもしれません。ちなみに控えめな花に似合う「穏やかさ」という花言葉もあります。
調べているうちに5月頃、木の根元に茶色の細長いフワフワした形状のものがたくさん落ちている光景を思い出しました。
あれは枯れた雄花だったのか…。落ちてようやく気付かれる存在の花ですが、雨の日には水気を帯びて邪魔者扱いにされてしまうのかと思うとちょっとかわいそうな気もしてしまいますね。