三重県いなべ市で楠(クスノキ)の枝打ちを行わせていただきました。この老木は、幹にシダが張り付き、ノウゼンカズラが絡みついていましたが毎年綺麗にカズラの花が楽しめるようで、ツル切りは少ししましたが、残しつつ作業を進めています。
楠は、日本の古代から現代まで、その特性を活かして様々な形で利用されてきました。特に、その防虫性が高いことから、お寺や仏像の建立に用いられてきました。また、樟脳として知られる成分は、タンスの中に入れて虫除けとして利用されてきました。
しかし、現代では、天然の樟脳を精製する技術を持つ人々はほとんどいなくなり、人工的な薬剤に取って代わられてしまいました。
一方、アロマテラピーの世界では、楠から抽出されるオイルは「カンファー」と呼ばれ、その効能が評価されています。特に、鎮痛作用が高く、鼻の通りを良くする効果があるため、花粉症や抗ウイルス対策にもおすすめです。ただし、天然の樟脳オイルは希少で、その価格も高くなっています。
楠の木は、その美しさだけでなく、その特性を活かした様々な利用法で、私たちの生活に寄与してきました。
これからも、その価値を大切にし、適切な管理を行っていきたいと思います。