枝にたわわに実った紫の小粒な実。夏に結実しグリーンから明るい紫色へと色を移し11月頃には鮮やかな紫色に変わるコムラサキ。
小紫式部(コムラサキシキブ):シソ科(クマツヅラ科)ムラサキシキブ属、原産国は日本、東南アジア。コムラサキと呼ばれることも多く、とてもよく似た植物「紫式部(ムラサキシキブ)」と混同して販売されることもあるようです。
実際どちらも美しい紫の実が特徴的な樹木ですが、実付き果実サイズもさほど変わらないこともあり庭木として植えられるのは樹高が少し低めのコムラサキが人気のよう。
寒さにも強く丈夫な性質、枝が込み合ってきたら落葉期に適宜剪定するのがよいですが、さほど頻繁に手入れする必要もないので管理が楽なのもメリットです。
見分けができる特徴としては、葉の鋸葉がつけ根まであるのがムラサキシキブ、葉の先端から中央辺りまでなのがコムラサキ。
お菓子のような色の実を小鳥がついばんでいるのを見ると、ちょっとつまんで食べてみたくなる果実ですが、毒性はないものの人にとって特に美味しいものでもなく残念ながら食用には向かないようです。
小さく目立たないけれど7月~8月に咲く薄紫色の花にも花言葉があり「気品」「知性」「聡明」といった品のある言葉が並びます。
秋に葉が落ちてしまっても紫色の実が残るので、冬の庭に彩りを保ち気品ある風情を堪能できます。和風の庭はもちろん洋風ガーデンにも似合うので花や樹木とのデザインもしやすいのではないでしょうか。
ガーデンショップなどで紫の実付きの一枝を鉢植えや盆栽風、生け花としてカッコよく配置して飾っているのも素敵だなと思います。