アオイ科ヤノネボンテンカ属、ブラジルやアルゼンチンなど南アメリカを原産国とするspearleaf 、swampmallow、和名「矢の根梵天花(やのねぼんてんか)」。また「高砂芙蓉(たかさごふよう)」という名前ももちます。
ふんわりとした5枚花びらは芙蓉のようですが、サイズ感はひとまわり小さめ、中心は深い紅色、うっすらピンク色の入る白い花びらの愛らしい花で、花壇での栽培の他、道端の雑草に紛れるように咲いているのも見かけます。
7月から10月あたりまで暑い時期にも次々と開花し、育つと3m以上にもなる落葉性低木で逞しさがありますが、花自体は朝ひらくと夕方にはしぼんでしまう儚さがあります。
名前の「矢の根」は葉っぱが矢じりのような形をしているからと言われています。
また「梵天(ぼんてん)」はポピュラーにはインドの神様、ブラフマンを指すことが多いですが、日本の一部地域では火消しの「まとい」のような長い棒の先に布製の飾りをつけた、神の依り代となるお祭りや神事に使う具のことも指すらしく、その形状を連想するからなのかもしれません。(ハッキリとした由来は不明です)
ちなみに耳かきの先についた白いフワフワも「梵天」、これは修験者が身に着ける梵天袈裟(ぼんてんけさ)から来ているという説もあるようですが、日本には白くフワフワとした形状の物体と梵天の名を結びつける創造性があるのかもしれないな、と想像を巡らせたりしています。
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