2021年4月25日にみえ森林・林業アカデミーの入校式が行われました。2020年に森林経営やマーケティング、林業の基礎知識などを学ぶディレクターコースに選択し1年間色々な講義を受けてきました。
写真は全て、仲良くしていただいている自伐型林業をしている業者様にお付き合いいただき色々と拝見させて頂いた時に撮影したものです。
今年2021年はディレクターコース2年目と合わせて、森林整備や林業に伴う現場の技術を学べるプレーヤー育成コースを受講する事になりました。入校式の後にみえ森林・林業アカデミーの太田猛彦学長から持続可能な森林の管理と利用の特別講義があり改めて2年目に私達が何を学び取り、それを元に森林の事で何ができるのか色々と考えさせてもらえる入校式になりました。
日本人にとって最も重要な資源の一つであった森林には今の現代に合わせた問題解決とそれに適応できる新たな森林の価値の創出をしていく事が日本の森林問題を解決する糸口に繋がるのではないかと常々感じます。
日本の森林は多様な気候帯を持っており、とても豊かな森林に位置付けられています。
1000種以上の多様な樹種のなかで森林が形成されており、再造林にも最適な温帯林に属し、森林を循環利用するのには十分過ぎる豊かな森林は日本にとって貴重な財産です。
森林が最も豊かに循環していた時代と言われている縄文時代には、森と当たり前のように関わり
活用していく事が当たり前の生活でした。
農耕をおこなずとも、自然にある食料で(山菜/漁/木の実/狩)十分に恩恵を受けながら自然共生社会が確立されていました。
しかし、稲作の伝来に始まり居住地の周りの変化が起き、農林用、生活用に燃料としての材や建築資材等の本格的な利用が進んでいきました。
木材の利用が進んでいき、山を活用しているように思えますが、この頃から田上山などで荒廃山地などが徐々に広がりを見せて、人工増加や社会の発展と共に森林劣化が進んでいきました。
676年には禁伐令などの森林保護も始まっていたのです。
そして江戸時代には山地荒廃の時代になり、農用林・生活林が多く使われ過ぎる事により、皆伐され何もなくなってしまった山は表面侵食・表層崩壊が起こり多くの土砂災害が起きました。
使われ過ぎるのを防ぐために里地・里山システムでの工夫がされるようになり入会の制度 用水利用の調整(水利権) 生活材などを取り過ぎるのを防ぐために柴刈権などが発行さて管理を行なっていました。
現代の山は人が活用できる価値を見いださぜずにいる状態であり、みえ森林・林業アカデミーの太田猛彦学長が書かれた森林飽和という本に書かれている事がとても勉強になります。
総合的な機能で森林は多面的機能が発揮される。
その山にあった管理方法は異なり、小規模な林分で考えると土壌保全から始まり地球規模で考えると地球環境保全機能が大事になってきます。
まずは、その山をちゃんとした根拠を持った知識や見解の元に調査できる技術を養い森林整備や山の活用を新しい形で創出できるような色々な森林のあり方を模索しながらチャレンジしていく事が大事ではないでしょうか?
2021年にディレクターコース を受けた時は造園業者は一人もおらず、最初はとても場違いだと感じた事も多々ありましたが、今年は受講生の紹介挨拶を聞くと四名ぐらい造園業者さんが参加しておりなんだかとても嬉しくなりました。
人間が勝手に決めた業という括りで何かを縛り付けて視野を狭くするにはもったいない事だと感じるので、これからも森林整備などを通して多くの方と関わりながら広い視野でサービスを提供できるように、剪定屋空らしい山の関わり方を創って行けるよう、まずは基本の大事な知識や根拠を元に森林に携わっていきたいと思います。
造園業から考える新たな山の管理システムの構築を!
参考文献
森林飽和-国土の変貌を考える- 著者 太田 猛彦