2023年10月25日のサイエンス系ニュースに「身近で起きた進化の事例!ヒートアイランドで「カタバミ」が適応進化していた」という見出し。
<千葉大学大学院 園芸学研究院の深野祐也氏らのチームが、身近な植物「カタバミ」が都市部の高温ストレスに応じて緑色から赤色に進化し、高温耐性を獲得していたことを発見した。>という内容です。
カタバミ:カタバミ科の多年草、世界中の温帯~熱帯地域に広く分布する繁殖力の強い植物。5月頃に小さな黄色い可愛らしい花をつけた姿を公園や道端でもよく見かけます。元々は江戸時代に園芸植物として日本に入ってきたようですが、その繁殖力から今はちょっと厄介な雑草のような扱いも受けていますね。
そのカタバミ「都会で赤い葉の個体が多く見られている」ということ。従来は画像のようなグリーン、葉色変化は紅葉でもなく生まれた時から赤色なのだそうです。
研究者の調査結果によると、通常気温(25℃)では赤よりもグリーンの葉の光合成レベルが高く、高温下(35℃)では赤い葉の光合成レベルが高くなっていたそう。つまり都会の高温化ヒートアイランド現象に対応するため「カタバミは葉を赤くして光合成レベルを上げ、適応進化を遂げた」ということに。
自分の姿を変え環境に対応しようとするカタバミの強靭さを感じつつも、年々高くなる気温の強いストレスに晒されたせい、こんな環境に変えてしまった人類のせいでもあるのかとも思うと考えさせられるものがあります。
赤色のカタバミは「世界で最も観察しやすい進化の事例」、でも同時にカタバミから人間への警告メッセージでもあるように思えてきませんか?
参考:身近で起きた進化の事例!ヒートアイランドで「カタバミ」が適応進化していた
2023.10.25 WEDNESDAY(ナゾロジー) https://nazology.net/archives/137161
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