紅葉の代表格ともいえるモミジの木。毎年の気候によって紅葉の見られるタイミングは違いますが、夏から秋、そして冬へと向かうほんの短い期間に起こる色彩の移り変わり。

木々のその色の変化には美しさも儚さも感じさせられます。写真は昨年のものですが、地元では紅葉の名所となっている場所での、まだ緑もあり黄色からオレンジ、そして赤い葉の贅沢なコントラストが楽しめる絶妙なタイミングでした。
「紅葉(こうよう)」は葉が赤色に変わることです。イチョウのように葉の色が黄色に変わるのは「黄葉(こうよう)」と書き区別されることも多いようです。
落葉時に葉の色が変わる生物的な仕組みとしては、日照時間が短く気温も下がることで光合成の効率が悪くなるので、緑色のエネルギーの素であるクロロフィルを分解し赤色の素アントシアニン(黄色はカロテノイド)が合成され、その過程で葉の色が変化します。
アントシアニン、カロテノイド、クロロフィルという三要素の比率により全体のコントラストも変化します。ただ、樹木はなぜアントシアニンやカロテノイドを作り出すのか、何かしら樹木が自らを守る為の理由があると思われますが、はっきりと紅葉する理由はわかっていないそうです。
天気や気温の状況、場所など様々な条件によって色々な色彩を魅せてくれる紅葉木ですが、命をつなぐための樹木の知恵と行動。そう思うと美しさの中に強烈な強さも感じます。