近所の公園を散歩中に枝先にちょっと不思議な紅い実のような花のようなものがついた樹を見かけました。
ヤマモモ科ヤマモモ属、原産国は中国、日本、別名にヤマウメ、ヨウバイ、シブキ、ユスラウメ、ジュバイなどもある、万葉集にも登場する歴史ある植物。
モモという名前がつくように、果実が成り食用も可能。2cmほどの表面に小さなブツブツがある赤い実で、ブドウ糖、クエン酸、ポリフェノールなどの栄養も豊富です。
味は甘酸っぱく、主に果実酒やジャムに加工されることが主流。
ただバラ科のフルーツである桃とは別の植物で、山に生えている桃のような果実=山の桃=ヤマモモ、というのが名前の由来のようです。
開花は3月から4月ですが、小さな粒のような花らしくない花は花粉を風で飛ばして増えるタイプの風媒花。虫を誘って花粉を運んでもらう虫媒花ではないので、虫を寄せるためのスタイルや香りをもつ必要がないということでしょうか、花びらさえ持たないシンプルなフォルムですね。
花自体に派手さはありませんが、雌雄異株でありながら、遠くに離れていても花粉を飛ばして果実をつける性質は、一途に想いを届ける男女にも例えられ、花言葉には「ただひとりを愛する」「一途」という言葉も。
実のなる樹木は花に目が向かないことも多いものですが、街路樹や公園でヤマモモを見かけたらそんな花言葉も思い出してみてくださいね。
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