梅雨も終わりが見え、夏が間近に迫りくるこの時期、桜というと季節外れな印象があるかもしれません。
しかし、今の時期の桜に注目してみると、花の季節だけではない桜のおもしろさがよくわかったりします。
例えば、春に咲く桜のツボミはいつできるのか?
実は春に咲くツボミは、開花する前の年の夏、七~八月につくられます。
なのでこの時期の桜をよく見ると、来年咲く花のツボミをつくっている様子を見ることができます。
そしてこのツボミは、「越冬芽」と呼ばれる固い芽の中に包み込まれ、冬を越すのです。
では、なぜ夏にツボミができるのに、秋に咲かずに春に咲くのでしょうか?
実は、桜も人間と同じように、秋の次に寒さの厳しい冬が来るということをわかっているのです。
その秘密が、「葉っぱ」。
六月下旬の夏至の日を過ぎると、夜の長さがだんだんと長くなりますが、この変化を葉っぱが感じ取って、冬の寒さが訪れることを事前に察知しているのです。
逆に毛虫の大量発生などで葉っぱを失ってしまうと、「秋に桜の花が咲く」という現象が起こることがあります。
見た目華やかではないですが、この時期の桜に目を向けてみるのもおもしろいのではないでしょうか。