「他を凌駕して空を覆うほどに咲く」夏の花「ノウゼンカズラ」
- 三重県剪定伐採お庭のお手入れ専門店 剪定屋空
- 2023年8月15日
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梅雨から夏に近づくと、通りに面した家の門や塀沿い、神社や仏閣にも目を惹くオレンジ色の花が咲いているのを見かけます。建物や他の樹木に絡まって高いところまで達し、たくさんの花が艶やかに咲くつる性植物、ノウゼンカズラです。

ノウゼンカズラ(凌霄花):ノウゼンカズラ科ノウゼンカズラ属、中国原産、元来は薬草として日本に渡った植物で、漢方では花の干したものを凌霄花(りょうしょうか)と呼びます。
ノウゼンカズラという名前は、他を凌駕して空を覆うほどに育つことを意味する中国名「凌霽」に由来。元々はリョウショウと読んだようですが、その後ノウショウからノウゼンに転じたとされます。
花の寿命自体は短いのですが、猛暑にも負けず次々と花を咲かせるので開花期はいつも艶やか。
地元の神社でもそうでしたが、日本にはノウゼンカズラの美しい観光名所にもなっている神社仏閣が多くあるように思います。神社の境内に咲くオレンジの花は厳かで神秘的な雰囲気にも似合います。大阪の天王寺「愛染堂勝鬘院」では、縁結びの神木(愛染かつら)にもなっているようですね。
ただ「天を覆うほど」どこまでも伸びていくツルは、剪定の手入れを怠ると建物や他の樹木が覆いつくされて手が付けられないことも。俗に「家にノウゼンカズラを植えてはいけない」と言われることがあるようですが、この強い性質と手が付けられなくなる生育のよさからの警告かと思われます。
夏の季語に扱われる情緒ある植物。花言葉は「名声」「名誉」「栄光」そして「華のある人生」。
可憐な花を楽しむ庭木としてもおすすめですが、天を覆ってしまう前に、適切な剪定をお忘れなく。