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万葉集にも詠まれた、儚げな花「ツユクサ」

  • 執筆者の写真: 三重県剪定伐採お庭のお手入れ専門店 剪定屋空
    三重県剪定伐採お庭のお手入れ専門店 剪定屋空
  • 2021年10月2日
  • 読了時間: 2分

羽根を広げたように透明感ある青い2枚の花びらをひらく小さな花、ツユクサ。


万葉集にも詠まれた、儚げな花「ツユクサ」


日本国内ほぼ全土に生育し空き地や道端、庭の片隅にもよく見かける植物ですが、特に夏の間に咲かせてくれる鮮やかなブルーの花は清涼感を演出してくれているかのようです。


ツユクサ科・ツユクサ属、和名を露草、英名day flower。


「朝、花開き午後にはしぼんでしまう」という性質から「朝露とともに消えてしまう花」として露草(つゆくさ)と呼ばれますが、日本を含め東アジア全般、またアメリカなど世界中にも育つ植物でその繁殖力は旺盛。見た目の可憐さに反して生命力の強い、たくましい植物です。


植物としての歴史も古く、日本では万葉集にも登場し「月草(ツキクサ)」「鴨頭草(ツキクサ)」の名で表現があり、他にも「蛍草(ほたるぐさ)」「藍花(あいばな)」「青花(あおばな)」「移草(うつしぐさ)」「鴨頭草(つきくさ)」「帽子花(ぼうしばな)」など別名が数多くあり、夏の季語としても好まれてきました。


また露草は、友禅染や浮世絵版画の下絵描きに青色染料として使われていたそうで、青く鮮やかに染めるための染料というより、色が変わりやすいこと、水で色を落とせる特性を生かし、完成時には消える下絵染料として重宝されていたとか。


その染めの性質からも「変わりやすい」「移ろいやすい」色(心)を露草に投影され詠まれた歌も多くあります。



儚いものに美を感じる感性は日本人的美学なのかもしれませんね。

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