top of page
執筆者の写真三重県剪定伐採お庭のお手入れ専門店 剪定屋空

烏骨鶏の小屋に発酵床: 作り方と最適化のガイド

発酵床は、鶏舎内での鶏糞や残食物を微生物の働きによって分解し、臭いを軽減し、鶏の健康をサポートする環境を作り出すものです。ここでは、その作成と最適化のためのポイントを紹介します。 



1.発酵床の基本構成




バーク、米糠、油粕、EM菌、炭、勲炭、籾殻、飼料用ゼオライトなどを混ぜていますが

その他にも発酵床の質を向上させることができる物を紹介します。



烏骨鶏と散歩


腐葉土: 多様な微生物の活動を活発にします。

鳥糞や家畜の糞: 豊富な窒素源として微生物の活動を促進。

緑肥: 土壌の栄養価を向上。

ココヤシの殻: 水分管理と通気性の向上。

海藻粉: 微量元素やミネラルの供給。

木酢液: pH調整と微生物活動の促進。


鶏舎の管理において、清潔さと衛生環境を保つことは非常に重要です。微生物のバランスを適切に維持し、病原性を持つ微生物の増殖を防ぐための管理が求められます。



発酵床の作り方と維持方法


3.発酵床の作り方と維持方法


以下は発酵床の基本的な作り方と維持方法についての解説です。


1. **材料**

- 入れる順番 1、炭、2、飼料用ゼオライト、3腐葉土、4勲炭 5油かす6落ち葉などの有機物

- 発酵促進剤やEM(有効微生物)液 (あまりにも発酵が進まない場合に適量)


ほとんどが攪拌して混ざってしまうと思いますが、床の下層は嫌気性微生物を定着させたいのであれば、攪拌は表層とその中間層を混ぜるのが効果的だと感じました。



2. **床の準備**

- 鶏舎の床を平らにし、清潔に掃除してください。



3. **発酵促進剤やEM液の散布**

- 材料の上に発酵促進剤やEM液を均等に散布します。これにより、有機物の発酵を助け、臭いを減少させます。


4. **混ぜる**

- 散布した後、材料をよく混ぜてください。これにより微生物が均等に広がります。

 (あまり下層を混ぜすぎると嫌気性微生物が死滅する)


5. **維持**

- 毎日、床の表面を耙でかき混ぜて有機物と鶏糞をよく混ぜます。

- 床が乾燥してしまった場合は、水を少し加えて湿度を維持します。ただし、過度な湿度は避けてください。

- 周に1回程度(発酵を状況を見て)、米糠やや籾殻を追加し、古いものを取り除くことで、床の品質を維持します。


6. **定期的なチェック**

- 臭いや湿度をチェックし、必要に応じて調整を行ってください。


7. **収穫**

- 数ヶ月後、床の下部には完全に発酵した堆肥ができあがります。これは、肥料として使うことができます。 (鶏糞の量が多すぎると土壌が強アルカリになりすぎてしまう可能性あり)


注意: 使用する微生物の種類や量、床の材料の種類によって、最適な方法が異なる場合がありますので、具体的な状況に合わせて調整してください。


好気性微生物と嫌気性微生物の特性を最大限に活かすためには、土の階層や環境条件を考慮する必要があります。以下は、両者をうまく活かすための土層の階層と特性についての説明です。



好気性と嫌気性微生物の特性と役割


好気性と嫌気性について


好気性と嫌気性の微生物はそれぞれ異なる環境で活動し、多岐にわたる役割を持っています。以下に主な微生物とその役割について説明します。


好気性微生物(酸素の存在下で生活・増殖する微生物)


役割

- 有機物の分解と酸素を利用したエネルギー生産

- 窒素の固定

- 一部は植物の生育を助ける


**代表的な微生物**:

- **Bacillus**(バチルス属): 有機物の分解や土壌の健全性維持に貢献。

- **Pseudomonas**(シュードモナス属): 有機物の分解や窒素の固定。

- **Azotobacter**(アゾトバクター属): 窒素の固定に関与。植物の成長を促進。

- **Mycobacterium**(マイコバクテリウム属): 一部は病原性を持つが、土壌中では有機物の分解に関与。


嫌気性微生物(酸素の存在下で生活・増殖しづらい、またはできない微生物)


役割

- 有機物の分解でガス(メタン、二酸化炭素など)を生産

- 酸素がない環境でのエネルギー生産

- 一部は病原性を持つ


嫌気性微生物が鶏舎の発酵床の下層に存在することがバランスの観点から良いと考える具体的な根拠は以下の通りです。


1. **有機物の完全分解**:

- 有機物の分解過程は、初期段階では好気性微生物によるものから、次第に嫌気性微生物の活動に移行します。これにより、有機物がより完全に分解される可能性が高まります。


2. **臭気の制御**:

- 嫌気性微生物は、一部の有害物質やアンモニアを分解し、臭気を抑制する役割があります。ただし、一部の嫌気性反応(例: 硫化水素の生成)は臭気の原因となるため、適切なバランスが必要です。


3. **メタン生成**:

- 嫌気性の環境下で、メタノゲンと呼ばれる微生物が活動し、メタンガスが生成されることがあります。メタンは温室効果ガスとして知られるが、エネルギーとして利用する可能性もあります。


4. **病原体の制御**:

- 一部の嫌気性微生物は、病原性を持つ微生物の増殖を抑制する働きがあります。これにより、鶏舎内の病原体のリスクが低減する可能性があります。


5. **土壌の酸化還元環境の変化**:

- 好気性と嫌気性の微生物が適切に共存することで、土壌の酸化還元環境が動的に変化します。これにより、さまざまな化学反応や鉱物の変換が促進され、土壌の構造や栄養状態が向上する可能性があります。


ただし、嫌気性の環境が過度に形成されると、土壌の通気性が低下し、鶏舎内の空気の質が悪化するリスクもあります。したがって、好気性と嫌気性のバランスを適切に保つことが、発酵床の健康的な環境を維持するための鍵となります。


これらの微生物は、自然界や人体内などさまざまな場所で多岐にわたる役割を果たしています。





鶏舎や鶏の健康に関連して、好気性および嫌気性の微生物が持つ影響について考察します。


1. **Bacillus(バチルス属)**:

- 一部のBacillus種はプロバイオティクスとして利用され、鶏の消化を助けたり、病原微生物の増殖を抑制する効果があるとされます。


2. **Pseudomonas(シュードモナス属)**:

- 一部の種は病原性を持つ可能性があるが、健康な鶏の消化器系では通常問題となることは少ない。


3. **Azotobacter(アゾトバクター属)**:

- 鶏に対する直接の影響はほとんど報告されていません。


4. **Mycobacterium(マイコバクテリウム属)**:

- 一部の種は鶏に疾患を引き起こす可能性がありますが、鶏舎の正常な環境ではそのリスクは低いと考えられます。


5. **Clostridium(クロストリジウム属)**:

- この属の中には、鶏の健康を害する病原性を持つ種も存在します。例として、Clostridium perfringensは壊死性腸炎を引き起こす可能性があります。


6. **Methanobacterium(メタノバクテリウム属)**:

- 鶏に対する直接の影響は報告されていません。


7. **Bacteroides(バクテロイデス属)**:

- 腸内の正常なフローラの一部として存在し、通常は鶏に問題を引き起こさない。


8. **Desulfovibrio(デスルホビブリオ属)**:

- 鶏に対する直接の影響は特に報告されていません。


鶏舎の管理においては、適切な清潔さと衛生環境を保つことが非常に重要です。微生物のバランスを適切に維持し、病原性を持つ微生物の過度な増殖を防ぐための管理が求められます。



炭の重要性





特に活性炭や竹炭、木炭などは、その多孔性により有害物質や臭い成分を吸着する能力があります。鶏舎の発酵床の一番下層に炭を敷くことの主な利点と考慮点を以下に示します。


利点


1. 臭いの吸着

炭は臭いの成分を吸着し、鶏舎の臭いを軽減する効果があります。


2. 湿度の調整


炭は余分な水分を吸収する能力があり、適切な湿度を維持するのに役立ちます。


3. 有害物質の吸着

炭はアンモニアや他の有害ガスを吸着し、鶏舎の空気の質を向上させることが期待できます。


4. 微生物の活動のサポート


炭の表面には多くの微生物が生息し、有機物の分解や土壌の健康をサポートします。


考慮点


1. 交換の頻度

- 炭の吸着能力には限界があるため、定期的に交換することでその効果を維持する必要があります。


2. 適切な量の配置

- 炭を過度に敷くと、土壌の通気性や水捌けが悪くなる可能性があります。適切な量を敷くことが重要です。


3. コスト

- 大量の炭を使用すると、コストが増加する可能性があります。


総合的に考えると、鶏舎の発酵床の一番下層に炭を敷くことは、特に臭いの管理や湿度の調整において効果的であると言えます。しかし、適切な管理と定期的な交換が必要です。


発酵床の発酵の原理は、微生物の活動を基盤にしています。以下はその詳細です。


発酵床の原理



発酵床の原理


1. 有機物の供給

発酵床には様々な有機物が含まれています。これらの有機物は微生物にとっての栄養源となります。


2. 微生物の活動

有機物が供給されると、土壌中の微生物(特にバクテリアや菌類)がこれを分解し始めます。好気性微生物は酸素を必要としながら有機物を分解し、嫌気性微生物は酸素の無い環境で活動します。

3. エネルギーの生成


微生物は有機物を分解することでエネルギーを取得します。この過程で、二酸化炭素、水、およびその他の物質が生成されます。嫌気性微生物の活動により、一部の有機物はメタンガスとして放出されることもあります。


4. 熱の生成

有機物の分解過程は発熱反応としても知られています。したがって、発酵床は暖かくなることがあり、これは特に冷え込む季節に鶏を暖かく保つ助けとなります。


5. 臭いの軽減


正しい微生物のバランスと適切な湿度・温度が保たれている発酵床は、アンモニアなどの有害なガスの生成を抑制し、臭いを軽減します。


6. 堆肥の生成

長期的に、発酵床の下部には完全に分解された有機物が堆積し、これは高品質の堆肥として利用できます。


発酵床の効果的な運用には、適切な湿度、温度、および微生物のバランスが必要です。これらの条件を最適に保つことで、発酵床は鶏舎の健康的な環境を維持する助けとなります。


土壌の深さや用途によって、好気性と嫌気性の微生物の最適なバランスは異なる場合がありますが、鶏舎の発酵床として考えると、以下のようなバランスが考えられます。



土の量とバランス



砂浴びというか土浴びになってます(笑)

鶏舎の中に大量に土を入れるのは難しい事もありなるべく土の量は抑えたいところですが、最低でも40cm程度(本当は60cmぐらいは欲しい)の深さがあった方が良いと思います。以下に40cmの中の土層の例を挙げて見ます。



1. **表層 (0 - 10cm)**: 

- ここでは酸素が豊富に存在するため、**好気性微生物**が主に活動します。この層では、有機物の迅速な分解や、アンモニアなどの有害ガスの発生を防ぐ役割があります。表層の通気性は保たれることが望ましい。


2. **中層 (10 - 30cm)**: 

- この層では好気性と嫌気性の微生物が共存するエリアです。酸素供給がやや減少するため、**嫌気性微生物**の活動が増加するポイントとなります。ここでは、有機物の分解が続き、一部の嫌気性反応も始まります。


3. **深層 (30 - 40cm)**:

- 土の深部になると酸素の供給が極めて少なくなるため、**嫌気性微生物**が主に活動します。ここではメタンガスの生成やその他の嫌気性反応が進行します。


バランスの観点からは、好気性と嫌気性の微生物がそれぞれ効果的に活動できる環境を整えることが重要です。具体的な割合としては、表層での好気性の活動を強化し、深層に向かうにつれて嫌気性の活動を増加させる形になります。土壌の通気性や水はけ、有機物の供給量などを適切に調整することで、このバランスを実現することができます。


土壌の深度による微生物の活動の違いは、酸素供給、水分、栄養物質の存在などの要因によって異なります。これらの要因は、土壌の好気性と嫌気性のバランスに大きく影響します。



1. **酸素供給**:

- **表層**: 土壌の表面は空気と直接接触しているため、酸素が豊富に存在します。このため、好気性微生物が活発に活動します。好気性微生物は酸素を利用して有機物を分解し、二酸化炭素や水を生成します(好気呼吸)。

- **中層 & 下層**: 土の深部になるにつれて酸素の供給が減少します。酸素の減少に伴い、嫌気性微生物が増加します。嫌気性微生物は酸素の代わりに他の化合物を電子受容体として使用し、有機物を分解してエネルギーを取得します。この過程でメタンや硫化水素などのガスが生成されることがあります(嫌気呼吸)。


2. **水分供給**:

- 過度な水分は土壌の気孔を塞ぎ、酸素の供給を妨げます。これにより、好気性の環境から嫌気性の環境に変わる可能性があります。


3. **土壌の有機物の量と種類**:

- 有機物が豊富な場所では、微生物活動が活発化します。一方、有機物の種類や化学的性質によっては、特定の微生物群が優勢になることがあります。


土の中では適応と競争が常に繰り返されている。


土の中では適応と競争が常に繰り返されている。

土壌内では、環境条件や外部からの影響(例:雨、農薬の散布、土の掘り返し等)に応じて、好気性と嫌気性の環境が動的に変化します。一時的な酸素不足や水分の増加、有機物の供給の変動などにより、好気性環境が嫌気性環境に、あるいはその逆に変わることがあります。


このような動的な変化の中で、好気性微生物と嫌気性微生物はそれぞれの環境に最適化された活動を継続しようとします。この「適応と競争」のプロセスを「土地を奪い合う」というイメージで捉えることができます。


しかし、この「奪い合い」は短期的なものであり、時間が経つと新しい均衡状態が形成されます。土壌の環境は多様な微生物が共存し、互いに影響し合いながらバランスを保っています。


土壌の層の具体的な割合は、土壌の種類、地域、気候条件、土壌の使用目的などによって変動します。また、用語としての「表層」「中層」「下層」は、具体的な深さや性質を示す標準的な定義が存在しないため、一般的な参考値を示すことが難しいです。


しかしながら、40cmの土壌の深さを基準に考えると:


- **表層 (0 - 10cm)**: 25%

- **中層 (10 - 30cm)**: 50%

- **深層 (30 - 40cm)**: 25%


という具体的なパーセンテージになります。


この分類はあくまで参考の一例です。実際の土壌の状態や目的に応じて、これらの層の厚さや特性は異なる可能性があります。



土の中では適応と競争が常に繰り返されている。

まとめ


発酵床における好気性と嫌気性微生物のバランスは、鶏舎内の健康的な環境を維持するために極めて重要です。好気性微生物は土壌の表層で活発に活動し、有機物の分解や臭気の制御に寄与します。一方、嫌気性微生物も、特に土壌の深層において重要な役割を果たし、有機物の完全分解や特定の病原体の抑制などに貢献します。


しかし、このバランスは動的であり、土壌の酸素、水分、栄養物質などの条件によって変化します。適切な微生物のバランスを維持するためには、土壌の管理とモニタリングが必要です。これにより、鶏舎内の空気の質、土壌の健康、および鶏の健康が最適に保たれ、持続可能な鶏の生産が可能となります。


何はともあれウコちゃん達が元気に育ってくれれば幸せです。



こちらの記事を読んでくれた方におすすめです。





---------------------------------------------------------------------




面白い植物の事から庭木の事など色々


随時Facebookにて更新中です🌸


インスタグラムは日々の仕事や山暮らしの事などUPしてます^^


今日も三重県のお庭に🌺





Comments


bottom of page