パクパクと動く金魚の口の形に似ていることからついた名前「金魚草(キンギョソウ)」。
オオバコ科キンギョソウ属、南ヨーロッパ、北アフリカ原産、流通名ではスナップドラゴンと呼ばれている植物です。
ひらひらとした金魚のような花びらが華やかな春の花ですが、ヨーロッパで品種改良が盛んで、八重咲やペンステモン咲きと呼ばれる釣り鐘型、赤、白、紫、オレンジ色や褐色やダークカラーなど花色多彩で品種が豊富です。
3月~6月頃が開花のピークですが四季咲き品種などもでているので、切花や鉢植えで通年出まわっているようにも感じるほど。
日本には江戸時代後期に渡来したと言われていますが、ヨーロッパでは古くからキンギョソウに「魔除け」の力があると信じられていたようです。
ドイツやイギリスなどでは「香りの強い花は魔を払う」と伝えられており、芳香の高いキンギョソウを家の前に植えたり、入り口に吊るしておいたりと、お守りのように扱われてもいました。
フローラルグリーンの香しい花香は、リラックス効果や鎮静効果をもたらしてくれるので癒しにもつながります。
さらにもうひとつ魔力につながる理由、可愛らしい花が終わった後、種鞘が枯れた姿が、まさに「ドクロ」のような形に見えるということ。
穴が3つ空いている様子がどうしてもドクロを連想させてしまうようですが…花時期とは全く雰囲気の違う、小さなドクロが茎に並んでいるような姿。
この姿からなのか、ヨーロッパでは種鞘をお守りとして持つと呪いを避けられるという言い伝えもあるそうです。
華やかな花姿、香しい芳香とは別の顔ももつキンギョソウ、興味深い植物です。
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