葉牡丹(ハボタン)が、ズラリと並ぶ季節。グリーンと赤紫、白やピン系のクリームカラー、縮れたフリルのような葉やコンパクトなミニサイズ。
改良種もかなり多くでていて、毎年違うスタイルのハボタンを目にすることもしばしば。冬の代表格といってもいい園芸植物ではないでしょうか。
アブラナ科アブラナ属の多年草、キャベツ?というような肉厚気味の重なった葉につく花姿が「牡丹(ボタン)」に似ていることからハボタンと名前がつけられたということ。
別名には「牡丹菜(ボタンナ)」、阿蘭陀菜(オランダナ)、花キャベツ、という呼び方もあります。原産地のヨーロッパでは元々野菜として食用にされていたこともあって、英語では「Flowering kale(花のようなケール)」「Ornamental kale(観賞用のケール)」「ornamental cabbage(鑑賞用のキャベツ)」と呼ばれます。
江戸時代に日本に渡来して、明治時代には広く普及、江戸時代の博物学者・貝原益軒の「大和本草」にも、ハボタンの名前が登場し、本草学者である岩崎潅園の「本草図譜」には、「甘藍葉牡丹」として記述があり「形はボタンに似て、夏季は葉が緑色であるが、冬期になると紫色に変わる」と記録があるそうです。なかなか歴史ある古典植物ですね。
門松の装飾などお正月飾りにもよく使われていますが、そもそもは幸福や富、不老不死の象徴とされる「牡丹」の代用として使われている意味もあるようです。とはいえ冬の寒い時期に花よりも強く、見栄えもよく、しかも長く観賞できるハボタンは屋外の飾りとしては最適。今ではお正月飾りにも欠かせない植物となりました。
花言葉も「祝福」「利益」とおめでたい言葉がつけられているようです。