初夏の見頃。タネをつけた赤いプロペラ モミジの種
- 飯島 一郎

- 2023年6月22日
- 読了時間: 4分
更新日:5月12日
イロハモミジ(イロハカエデ):ムクロジ科カエデ属、四季を通して美しい日本の風景に欠かせない樹木のひとつです。

モミジやカエデの見頃といえば秋の紅葉シーズンですが、春から初夏にかけての様子もぜひ観察して欲しい姿。
淡いグリーンの葉が日に透けて美しく、そしてイロハモミジの木には薄い赤色の小さなプロペラがたくさんついているのが見えると思います。ヘリコプター、もしくは竹とんぼ、タケコプター?そんな形にも見える2枚羽が葉の上方にピョコピョコと飛び出してちょっとユニーク。
このプロペラ1枚のそれぞれの根元に種がついていて、秋になると茶色く枯れたようになり枝から落下。そのときにくるくると回りながら風にのることで遠くまで種を飛ばします。少しでも遠くに、風の流れに乗りやすい工夫された形。
この羽根つきの実を「翼果(よくか)」といい、一見案バランスにも見える1枚の羽で滑空する原理は、空中でホバリングするハチドリと同じで、風をうまく利用して空中を長時間滑空できるスタイルなのだそう。
このスタイリッシュな翼のデザインは、様々な分野でも研究され、例えば天井にとりつける回転する羽根(シーリングファン)やヘリコプター、最近注目を集めている空飛ぶメカ、造園業でも空撮に活躍するドローンの羽の形状など技術開発にも役立っているそうです。
ちなみにグライダーの原型ともいわれるのも熱帯雨林に生育するアルソミトラという植物の種子。こちらは羽根の真ん中に種があるスタイルですね。
少しでも長く空中にとどまることでより遠くに、よりよい環境を求めて種の滑空。植物の素晴らしい知恵。ぜひ初夏のモミジも鑑賞してくださいね。
庭師が5月に気にすること
モミジの翼果が赤く色づき始める5月は、庭師にとっても特別な季節です。翼果はプロペラのように回転しながら落下し、風に乗って数メートル先まで飛んでいきます。種の飛散範囲は親木から半径5〜10メートルほどが一般的で、庭の隅や花壇の中に発芽することもあります。
発芽してすぐのモミジの実生は、双葉が左右対称に広がる可愛い姿。ただし、庭木の根元近くに発芽した場合は早めに取り除くことをおすすめします。根が定着すると抜き取りが難しくなります。

種から育てることもできる
実は、落ちたモミジの種を採取して育てることができます。10〜11月に採取した翼果は、乾燥させずにそのまま種まきするか、冷蔵庫で数週間「低温湿潤処理(層積処理)」を行うと発芽率が上がります。
ただし、種から育てたモミジは親木と同じ品種にならないこともあります。庭に特定の品種を増やしたい場合は、挿し木か接ぎ木の方が確実です。
よくある質問
モミジの種はいつ落ちますか?
品種により異なりますが、多くは5〜6月に種が成熟し落下します。イロハモミジは5〜6月、ヤマモミジは6〜7月が目安です。
モミジの種から木を育てることはできますか?
できます。採取後すぐに種まきするか、冷蔵庫で低温湿潤処理をすると発芽しやすくなります。ただし、品種の再現性は保証できません。
庭に落ちたモミジの種はどう処理すればいいですか?
放置していると発芽して根が広がることがあります。不要な場所に落ちた種は早めに取り除くのがおすすめです。
モミジをはじめとした庭木の年間管理は、三重県の剪定屋空にご相談ください。季節ごとの適切な手入れで、木が本来の美しさを保てるようサポートします。
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