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淡い紫は紫苑色。春に花咲く「ハルジオン」

淡い紫色をまとった細くふわりとした花びら、少しうなだれた紫の蕾、道のわきや空き地に見かける野草「ハルジオン」です。


淡い紫は紫苑色。春に花咲く「ハルジオン」


キク科ムカシヨモギ属、原産は北アメリカで、日本には観賞用の花として大正時代には入ってきたようですが、旺盛な繁殖力から今では街中でもあちこちにたくましく育つほど。結果、侵略的外来種にも指定されてしまいました。花は素朴で可愛いのですが、あちこちに群生しているのを見ると、厄介な雑草という扱いになってしまうのかもしれませんね…。


和名「春紫苑(ハルジオン)」の意味は、同じキク科で秋に咲く紫苑(シオン)という花の色に似ているから。


やわらかで優しい薄紫色「紫苑色」は、日本でも古くから愛されているカラー。平安時代の十二単や染物などに好まれた様々な色相の紫色のひとつです。


その紫苑色をまとって春に咲く紫苑=ハルジオン。


花言葉の方は、「追想の愛」。過ぎ去った恋を思い出して偲ぶ…、と少しさみし気。これはハルジオンの蕾が下向きで、俯いているように見えることからイメージされた言葉だそうです。


またちょっとネガティブ系な他の呼び名に「貧乏草(びんぼうぐさ)」も。理由は諸説あり、茎や花を取られても根っこが残っていれば、また生えてくる!という根性系の性質説、他にも、茎が空洞で中身がないこと、お金持ちの手入れの行き届いた庭には生えず手入れのされない庭に生えるから、などなど…。


そのイメージからなのか、花を折ったり摘んだりすると貧乏になる…、なんてことも言われたり。

観賞花だったはずなのに、「貧乏草」はちょっと不本意な扱いを受けている気もするのですが…。

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