道端によく見かける雑草のひとつ、もじゃもじゃと毛の生えた先端が特徴的な「猫じゃらし」…「エノコログサ」という名前の植物です。
エノコロというのは、犬のしっぽを指すそうで、子犬がしっぽを振っているかのような姿から名付けられたとか。
実際に猫の目の前で穂を振るとじゃれてくるので猫じゃらし、なのですが、猫ではなく犬の名のついていること、また英名ではGreenfoxtail とも呼ばれ、今度は緑のキツネのしっぽになってしまいます。お国柄によりイメージされる動物が変わってくるのは面白いですね。
このエノコログサは実は穀物のアワの原種と考えられていて、一応食べることもできるそう。確かによく見るとひと粒ひと粒実を並べている麦やアワに似た様子がわかります。
分類上もイネ科、エノコログサ属、日本全国に分布している一年草です。
6月頃に穂を出し、7~9月に開花しますが、花自体はかなり目立たない大きさなので、外観からは開花がわかりづらいようです。
河川敷や空き地、日当たりのよいところにはどこにでも生えていて、10cmほどのものが多いですが、もっと小さいサイズでもしっかり穂をつけている姿もよく見かけます。
また通常1本の茎にひとつの穂がつきますが、時折穂が2又にわかれたもの、途中から3本、4本…と複数に分かれて伸びている場合もあるので、四葉のクロバーのように枝分かれした穂を見つけるのも楽しいかもしれませんよ。