春先、小さな紫色の花「スミレ」がアスファルトのスキマから顔をだしていました。
可憐で儚さと可愛らしさをもつイメージの花ですが、こんな風に道端のほんの隙間にもしっかりと根付く、自生力のあるたくましい強い植物です。
菫(すみれ)、スミレ科スミレ属の多年草で開花時期は3月から5月頃。原産地は日本、中国、朝鮮半島など。
自然交配による交雑種が多く、品種名を確定するのも難しいようなのですが、実はたくさんの種類があり花の色味や大きさフォルムもさまざま…「スミレ(菫)」はスミレの仲間の総称を指していて、本来のスミレ(菫)とは、日本に自生する濃く深い紫色の「viola mandshurica」のことを指すのだそうです。
自生力の強さの秘密は、春に花が咲き終わっても、夏や秋、時には冬にも結実することができること、つまりほぼ1年中種を作り出すことができるということ。そして種が熟すとサヤが弾けて種子が遠くに飛ぶようにできていること。また種子は糖質でコーティングされているので昆虫が好み残った種はそこで発芽できる。など工夫がたくさん。
花言葉はイメージ通りの「謙虚」「誠実」ですが、実はかなり賢くてたくましい植物ですよね。
スミレはシンボル、モチーフとして様々なものに登場しています。
日本では歌の「スミレの花咲くころ」にもでてくる「宝塚歌劇団」のシンボル、また海外では聖母マリアに捧げる聖なる花、ナポレオンの愛した花、という逸話も。
慎ましやかで控えめな姿と性質の強さ、たくましさ、両方をあわせもつからこそスミレは魅力的なのかもしれませんね。