寒い季節の中、今年も濃いピンク色の蕾がふくらんできました。ジンチョウゲ(沈丁花)の花です。
ジンチョウゲ科ジンチョウゲ属、原産国は中国、室町時代あたりには日本に渡来していたそうで、白い花をつけるのは「シロバナジンチョウゲ」、葉に斑が入るのは「フクリンジンチョウゲ」、画像のようにツボミは濃いピンクで開花すると花弁のベースは白で外側は薄紅色、というカラーの品種は「ウスイロジンチョウゲ」。
毎年小さな蕾が揃うと、グリーンにも映えるその色彩がパッと目に留まります。蕾の姿と花が開いた姿はかなり印象が違い別の花のようでもあり、2度の見頃を楽しめますよ。
「沈丁花」の意味は、三大香木(春の沈丁花(ジンチョウゲ)、夏の梔子、秋の金木犀)にもあげられるように、花の香の高さから由来しています。
花の香がお香の元となる沈香(じんこう)のようであること、沈香自体も気の遠くなるような長い時間をかけジンチョウゲ科の常緑樹の樹皮から誕生するものですが、香り高いことで知られるお香には「至上の宝」とさえ言われる伽羅(きゃら)も有名ですね。
また丁は丁子(チョウジ)=クローブのような花、という意味で、クローブは香辛料や生薬にも使われる植物です。
花言葉にも「名誉」「栄光」の他「甘美な思い出」など、甘く香りたつようなニュアンスの言葉も表現されています。
開花は3月~4月頃、つぼみから少しずつ白い花びらが開いていく様子もゆっくりと楽しんで、また画像と共にご紹介してできたらと思います。