竹炭と木炭の比較 炭としての活用を考える 三重県鈴鹿市にて竹炭作り体験
- 三重県剪定伐採お庭のお手入れ専門店 剪定屋空

- 12 分前
- 読了時間: 6分
竹は成長が早く、放置すれば数年で山の斜面を埋め尽くします。整備した分だけ竹が出る。その竹を活かすかどうかで、竹林管理の意味が変わってきます。

今回三重県鈴鹿市で里山手入れをされている方からお誘いいただき竹炭づくりを体験させていただきました。
今回、炭焼きを体験させていただいた場所がとても印象的でした。雑木林、竹林、湿地林、人工林が複雑に入り混じった里山で、一か所にこれほど多様な植生が並ぶ場所はなかなかありません。

近くを散策してみると粘土質の塊がいくつも落ちておりグライ土かと思いました。
グライ土は地下水位が高い場所で、土の中の鉄分が酸素不足の状態で還元されて灰青色に変色したもので確かに近くに湿地があるし、見た目は似ている。
ただ、調べてみるとグライ土と今回の粘土には違いがありグライ土は今もそこに水が滞留していることを示す現在進行形のサインで、手で触れると柔らかく有機物の臭いがする。
今回の粘土は硬く締まっていて固結に近い質感があった。
地質図で座標を調べると、ここは東海層群新第三紀の非海成層、砂岩と泥岩が互層になった地層で、約500万年から1100万年前に陸の湿地や河川で堆積したものがあるようで。海の底ではなく、かつての陸の水辺が、長い時間をかけて固まってここに残っているものだと推測します。 ちゃんとした土質検査は必要ですが灰色の粘土はその泥岩が風化したもの。
近くに砂のような粒が混じっていたのも、同じ地層の砂岩が崩れたものだった可能性があります。この里山の地下には、そういう地質的な構造が重なっているとても興味深い地形をしています。
ただ竹の侵食も進んでおり、今後湿地帯に孟宗竹の地下茎が入り込み水を吸収して枯れてきてしまう恐れも懸念されます。
去年はだいぶ湿地帯にも水が溜まっていた状態だったそうだが今年はだいぶ水が少ないそうで水を貯めていた粘土層に地下茎が貫入し、その経路に沿って水が抜けてしまっている可能性もあります。
現時点では仮説ですが実際に地下茎がどこまで伸びているか、粘土層がどの深さにあるかを確認しないと断言はできません。ただ、この構造を知った上で竹林をどこから管理していくのかなどを考えると竹林管理や里山管理は私はさらに面白いと思ってしまいます。

その中で、竹がどれほど速く周囲の植生を塗り替えていくかを間近で見ることができました。隣接する雑木林との境界を見るだけで、竹が年単位でじわじわと領域を広げているのがわかります。理屈として知っていることと、現場でその圧力を実感することはまるで違います。
昔の里山では、炭焼きはどこでも当たり前に行われていました。炭を焼く煙が竹林を漂うことで、自然と病害虫の予防になっていたと考えられています。人が定期的に関わることで初めて成り立つ、繊細な生態系のバランスがそこにはあった。
炭焼きは資材をつくる行為ではなく、里山を維持するための関わり方そのものだったのだと思います。

竹林の中で竹炭を焼くことは、実は野原で焼くよりも安全に行いやすい条件が整っています。近隣への影響や管理体制の整備は必要ですが、適切な管理のもとであれば、その場で素材を調達し、加工し、また土に還す。昔の人がやっていたことは、今でいう循環型の資源利用とそのまま重なります。
資源としての竹の活用
土壌改良資材として木炭を活用することはありますが、
竹炭と木炭は、似ているようで異なります。

今回の炭焼き体験では、消し炭という製法で竹炭を作りました。燃えさかった竹に水をかけて空気を遮断する方法です 。この製法で作られるのがポーラス竹炭と呼ばれる多孔質の竹炭です。
窯でじっくり焼き上げる通常の竹炭は硬く締まった組織になります。一方、ポーラス竹は燃焼途中で急冷されるため 竹の繊維構造がそのまま残った柔らかい炭になります。見た目は通常の竹炭と似ていますが、手に持つと明らかに軽く、崩れやすいのが特徴です。
土壌改良材として使ったとき、この違いが如実に出ます。通常の窯焼き竹炭は土中で水分を30〜40%程度しか吸収しません。ポーラス竹炭は2分以内に約80%の水分を吸収するというデータがあります。
土と混ざりやすい柔らかさも相まって 耕起の必要な農地よりも、樹木周辺の土中改良に向いていることがわかります。
弱アルカリ性でpH調整の効果があり、竹由来のカリウム・ケイ酸・マグネシウムといったミネラルも含まれています。肥料を与えるのではなく、土の性質そのものを底上げする素材として機能する。それがーラス竹炭の本質です。
竹は木材と比べて維管束の数が多く、多孔質の組織構造になっています。竹炭にしたとき、内部の表面積は木炭の5〜10倍ほどになるといわれています。炭化温度が800度に達すると、1gあたりの孔の表面積は700m²を超えます。テニスコート約3面分の面積が、1gの炭の中に畳まれているということです。
この超微細孔が、竹炭の吸着力の源です。空気や水の浄化、湿度調整、消臭に使われる理由もここにあります。

一方、木炭は土壌への働きかけという点で安定した実績があります。保水性の改良には木質系バイオ炭が、保肥性の改良には低温生成の木質系バイオ炭が向いているとされています。
竹炭と木炭の違いを一言で言えば竹炭は吸着が得意で、木炭は土台づくりが得意だということです。どちらが正解かではなく何のために使うかで選ぶのが大事になってきます。
松の樹勢が落ちた現場で炭を施工することがあります。根が弱っているとき、即効性の肥料を入れると枝葉だけが先に伸び組織がやわらかくなり菌根との関係を崩してしまうことがあります。

木炭・竹炭・バイオ竹炭 比較
炭の役割は、通気・排水・保水のバランスを整えること。微生物や菌根菌が生きられる環境をつくること。そして肥料分を受け止める土台を形成することです。
肥料を与えるのではなく、肥料が効く土をつくる。これが炭を使う理由です。
竹粉末にすれば肥料や土壌改良材になり、いろいろな素材としての可能性も研究されています。完熟させた竹堆肥は、微生物の活動を促しながら土に栄養を還します。

剪定屋空ブログより 竹林管理と竹の活用
竹炭、竹粉末、竹堆肥それぞれに役割があります。

竹を伐ることは、竹がなくなることではありません。形を変えながら、土に空気に人の暮らしに還っていく。その循環の入口が里山手入れや竹林手入れはあります。

竹林での炭焼きが、また各地の里山で普通のこととして行われるようになってほしい。その第一歩として、まず知ることが大切だと感じた一日でした。
今回散策して見つけたもの

ニオイタチツボスミレ スミレ科 在来種 花期4-5月

クサイチゴ 在来種 バラ科
花期4-5月 果期は5月
食べれます
イチゴの中でも甘いそうです

コクラン 在来種
花期6-7月

カキドオシ 在来種 シソ科
花期4-5月
食べれます 和製ハーブ






