三重県亀山市里山塾2025 第8回講座「里山の野鳥を探してみよう」参加記録
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2025年11月16日(日)三重県亀山市の亀山里山公園みちくさで開催された里山塾の野鳥観察講座に参加してきました。
亀山里山公園「みちくさ」とは

亀山里山公園「みちくさ」は、かつて水田や荒地だった土地を亀山市が買い取り、約3.5ヘクタールの里山環境へと再生させた自然公園です。池や湿地、水辺を意識した環境整備により、生きものが住みやすい里山回帰の場として整備されています。
基本情報

所在地: 三重県亀山市椿世町407-1
開園時間: 8:30〜17:00(夏季・冬季で時間変動あり)
休園日: 12月29日〜1月3日
駐車場: 無料・20台
アクセス: 東名阪自動車道「亀山IC」から車で約10分
1. 里山再生のフィールド

人と自然がつながる環境を再現した、都市近郊では貴重な里山空間です。池や湿地を含む設計により、水辺生物や湿性植物が生育しやすい環境が整えられています。
とてもよく整備されており毎年の手入れは大変だろうなと思いながら観察させていただきました。
2. 生物多様性の宝庫

園内には多様な生物が生息しています。
確認されている野鳥
カワセミ
アオサギ
ヤマセミ
ヒヨドリ
キセキレイ
メジロ
モズ
シジュウカラ
ジョウビタキ
今回の野鳥観察では双眼鏡を持ち里山公園内を散策しながら野鳥を探しました。
今回観察できたアオサギ。

双眼鏡でのぞいてみると予想以上にかわいい。

アオサギは日本に生息するサギ類の中でも最大。全長は約90cm、翼を広げれば1.5mを超える大きな鳥で、ヨーロッパからアジア、アフリカまで幅広く分布しています。日本では北海道で夏に繁殖し、九州以南では冬を越す個体も多く、本州では一年中見ることができる留鳥です。
アオサギの食べ物は主に魚類。ほかにも両生類、甲殻類、昆虫、小型哺乳類まで幅広く採食し、一日に必要とする餌の量は約270gとされています。
時には30cmほどの大きな魚、ニゴイやカワヤツメを捕らえることも知られており、水辺の生態系ピラミッドでは“上位捕食者”として位置づけられる存在です。
アオサギが頻繁に訪れる場所には、いくつかの共通点があります。そして、それはその土地の健全さを示す指標でもあります。
魚や両生類が豊富にいる
アオサギが採餌できるということは、池や湿地に小魚・ドジョウ・オタマジャクシなどが継続的に暮らせる環境がある証。
水質が良い

敏感な魚類が生きられる清浄な水であることを意味します。
浅瀬がある
アオサギは深い水よりも、脚がつく程度の浅い水域を好みます。「みちくさ」では、この条件がしっかり整備されています。
多様な生物が循環する里山性
アオサギは生態系の上位に位置するため、彼らが姿を見せるということは、その下で支える植物・昆虫・小動物たちの層が豊かである証拠。
つまりアオサギが来る公園は、里山として“機能している”公園。
これは、自然の循環が息づく場所であることを示してくれます。
亀山里山公園「みちくさ」は、荒廃地を整備し、湿地・池・雑木林を再生してつくった場所です。

アオサギの存在は、そこに
捕食者
被食者
水辺植物
昆虫・両生類
微生物が連続する、ひとつの生態系が成立していることを教えてくれます。
里山は人の手が入ることで保持される自然。放置でも人工でもなく、その間にある景観です。アオサギは、そのちょうど良さを感じ取っているのかもしれません。
3. 体験・学びの場
亀山市と市民団体が協働で「里山塾」を開講し、年間を通じて自然体験プログラムを実施しています。 全8回の講座でしたが今年応募させてもらったのに、今年初めての初講座を受けさせていただきました。 来年2026年の最終講座は絶対行かせていただきます!
里山塾2025の主な内容
草花の観察・葉っぱ図鑑づくり
池干し体験
虫の観察会
夜の里山公園で灯火採集
秋に鳴く虫の声
鈴鹿川の探索
植物について(食物連鎖や光合成)
里山公園で野鳥探し
落ち葉のなかの生き物観察
生物多様性や絶滅危惧種について学ぶ
講座では、野鳥を生態によって分類する方法を学びました。

夏鳥(なつどり) 主に春から秋に見られる、繁殖のために飛来する鳥。ツバメやホトトギスなど。
冬鳥(ふゆどり) 主に秋から春に見られる、越冬のために飛来する鳥。ジョウビタキ、ハクチョウなど。
留鳥(りゅうちょう) 一年中見られる、繁殖と越冬を同じ場所で行う鳥。アオサギ、ウグイス、ケリなど。
旅鳥(たびどり) 主に春と秋に見られる、渡りの途中に立ち寄る鳥。シギ類など。
迷鳥(めいちょう) 本来の渡りのルートや生息地から外れて飛来した鳥。
漂鳥(ひょうちょう) 山地⇔平地、北方⇔南方など、季節によって短い距離を移動する鳥。
観察のポイント
野鳥観察では、以下のポイントに注目しました。

鳴き声の違い: 種類ごとに異なる声の特徴
大きさの比較: スズメやハトとの大きさ比較
行動観察: 何を食べているか、どう歩くか、どう飛ぶか
生態的特徴: 留鳥か渡り鳥か、季節による変化
鈴鹿川周辺との連携

「みちくさ」では、鈴鹿川周辺の自然環境保全活動とも連携しています。地域交流や親水イベントを開催し、実物観察会、生物調査、虫類探検隊などを通じて、生物多様性の大切さを伝える取り組みが行われています。
子ども向けには、スタンプラリー、生き物探し、大工体験、シイタケの種打ち、薬用・薬草の利用など、五感で自然を学べるプログラムが用意されています。

造園・庭園管理の視点から見ると、亀山里山公園みちくさには多くの学びがあります。
1. ビオトープ管理の実践例 湿地・池を整備して里山環境を再現している点は、ビオトープ管理サービスの参考になります。
2. 市民参加型の環境教育 公園を通じた自然体験・生物多様性学習は、地域の環境教育との連携可能性を示しています。
3. 里山再生という理念 「里山再生」というテーマは、地域の造園提案や発信素材としても親和性があります。
人と自然がつながる環境をつくること。 それは、単に樹木を手入れするだけでなく、生きものたちの営みを支え、次世代へと自然の循環を引き継ぐことなのだと、改めて感じる一日となりました。 次はひっそりカワセミでも見に行ってこようと思います。

参考文献
亀山市公式サイト「亀山里山公園みちくさ」 https://www.city.kameyama.mie.jp/docs/2014112304817/satoyama.html
観光三重「亀山里山公園『みちくさ』」
https://www.kankomie.or.jp/spot/21758
里山塾2025プログラム資料
https://www.city.kameyama.mie.jp/kosodate_yuyu/news/2025022100024/




