紙風船のようなツボミ。バルーン・フラワー キキョウ アストラ つぼみ
- 飯島 一郎

- 4 分前
- 読了時間: 3分

紫色が涼やかで美しいキキョウ アストラのツボミが開きかけた様子です。
開花した花姿は大きな星形の凛とした姿ですが、ツボミはキレイに花びらの端を閉じぷっくりと膨らんだ紙風船のような姿。
画像は2枚の花びらがめくれて中の様子をのぞかせていますが、風船のように閉じたツボミも何とも言えない可愛らしさ。
つい触ってポンッと割りたくなる衝動も起こさせる…子どもの頃に割って遊んだ、なんて想い出のある人もいるのかも。
(花が傷ついてしまう恐れもあるので、オススメはできませんが・・・)
キキョウの英名は Balloon flower(バルーン・フラワー)。
開花する前のつぼみが、空気でパンパンに膨らんだ風船(Balloon)のように見えることからこの名がつきました。

ところで、この風船が開いたあと、キキョウの花はもう一度、いや二度、開きます。
つぼみがほどけて花びらが開く。
ここまでは、誰でも見たことのある光景です。
けれどこの時点では、花はまだ準備ができていません。
しばらくすると、中央から白い雄しべが立ち上がって熟します。
ここが雄の時期。
花粉を出し終えると雄しべは倒れ、しおれていきます。
そのあとになって、真ん中から雌しべが伸び、先が星のように割れて開きます。
ここが雌の時期。
小さな白い花がもうひとつ咲いたようにも見えます。
つまりキキョウの花は、花びら、雄しべ、雌しべと、三回に分けて開いているのです。
なぜそんな面倒なことをするのか。
自分の花粉が自分の雌しべにつくのを避けるためです。
雄と雌の時期をずらせば、同じ花の中では受粉できません。
しかもキキョウは、同じ株の中で雄の時期の花と雌の時期の花が同時に咲かないよう、タイミングまでずらすといわれています。
一株のなかでも近親をつくらない。
そこまでやるのか、と初めて知ったときは驚きました。

庭でキキョウを見かけたら、いくつかの花を見比べてみてください。
中央に白い雄しべが立っている花と、雌しべが星形に割れている花。
同じ株でも、花ごとに時期が違うのが分かります。
こういう仕組みを持つ植物は、虫が運んでくれることを前提に生きています。
蜂やアブが庭に来なくなれば、種はできません。
花の形は、そこに来る虫との関係でできあがっています。
庭に花を植えるというのは、じつは虫を呼ぶことでもある。
キキョウの三段階は、それを静かに教えてくれます。
秋の七草としても知られる和の雰囲気をもつ桔梗(キキョウ)。
古くから人々に愛された身近な山野草ですが、現在古来品種は貴重な植物となってしまいました。
このアストラはサカタのタネが園芸品種化に成功した植物で、暑さにも強い育てやすい花として夏のガーデンに涼をもたらしてくれる人気品種です。
ふっくらと膨らんだツボミはゆっくりと開いてやがて涼やかな星型の花に。
今年も鮮やかな紫色の花は猛暑に涼感を届けてくれることでしょう。

虫の来る庭にしたい、季節の草花を植えたいというご相談は、お庭の剪定・管理のご相談からお声がけください。三重県で、生きものの通う庭に手を入れています。
キキョウ(桔梗):キキョウ科 / キキョウ属 原産地:日本、東アジア 別名:アリノヒフキ、ボンバナ、ヨメトリバナ 開花期は6月~10月 耐寒性、耐暑性の高い強い性質の植物で現在普及している園芸種は初心者でも育てやすい植物です。古来の山野草は絶滅危惧種、明治以前の園芸種には絶えてしまった品種も多くあります。
最終更新: 2026年08月






