なぜ?キュウリの馬とナスの牛。お盆にお供えする野菜の謎 キュウリ 花実


お盆とは、仏教行事の盂蘭盆会(うらぼんえ)のことで、現在では旧暦の7月15日前後にあたる8月13日~16日をお盆としている地域が多いようです。
毎年この期間にこの世に戻ってくるとされるご先祖様の魂をお迎えし、供養することで感謝を捧げる行事でもあります。
お盆に飾る供物の中に、きゅうりの馬(精霊馬・しょうりょううま)と、なすの牛(精霊牛・しょうりょううし)があります。
夏野菜であるキュウリとナスに爪楊枝や割りばしで4本脚を作って飾るお供えは、見た目にも可愛らしくユニーク。
精霊馬と精霊牛は、ご先祖様の魂があの世とこの世の自宅を行き来するための乗り物を意味しており、一般的に速く走る馬(キュウリ)は、できるだけ早く家に帰ってきてほしい。
ゆっくりと移動する牛(ナス)は、少しでも長くこの世にいてほしいという願いが込められているそうです。
牛には、お土産をたくさん背負って帰ってもらうという意味を持たせる地域もあります。

ここでひとつ、面白いことがあります。
この意味づけは、全国どこでも同じというわけではありません。
地域によっては、キュウリとナスの意味が逆に伝わっているところがあります。
あの世からは牛にゆっくり揺られて来て、帰りは馬で早く戻る。
ご先祖様に、この世で慌てさせたくないという受け取り方です。
また、浄土真宗では精霊馬を飾らないのが基本とされています。
人は亡くなればすぐに仏になる、という考え方の宗派だからです。
近ごろは形だけでも、と飾るお宅も見られるようになったそうですが、地域とお家の習わしが優先します。
つまり、正解はひとつではありません。
お住まいの土地とお家に伝わってきた形が、そのお家の正解ということになります。
なぜキュウリとナスなのか?というハッキリした理由は見当たらなかったのですが…、かつては麦わらなどで作られたけれど素材の入手が難しくなったこと、キュウリとナスは昔から夏に旬を迎える手に入りやすい野菜であること、個人的にはスラリとしたキュウリ、ぷっくりしたナスのカタチも動物のイメージにマッチして選ばれた気もしています。

さて、いちばん上の写真をもう一度見てみてください。
黄色い花の付け根に、小さなイボイボの実がすでについています。
これが雌花です。
キュウリには雌花と雄花があり、実になるのは雌花のほうだけ。
雌花は咲く前から、花の下に赤ちゃんキュウリをぶら下げています。
雄花にはそれがなく、細い花柄が伸びているだけです。
家庭菜園で、花は咲くのに実がならないという相談をいただくことがあります。
そういうときは、まず雌花が咲いているかを見ます。
株が弱っていたり、肥料や水が足りなかったりすると、雄花ばかりになることがあるからです。
キュウリ、ナスは家庭菜園でも育てることができるので、自家製野菜でお供え作りを楽しむのも素敵ですよね。
自分の畑で採れたキュウリで作った馬なら、ご先祖様も少し驚くかもしれません。
お盆の前は、お墓まわりやお庭を整える時期でもあります。
草を引き、風を通し、迎える準備をする。
その支度そのものが、供養の一部なのだと思います。
お盆前のお庭やお墓まわりの手入れは、お庭の剪定・管理のご相談からお声がけください。三重県で、迎える前の庭仕事をお手伝いしています。

キュウリ:ウリ科キュウリ属 原産地:インド北部、ヒマラヤ山麓 和名:胡瓜 果実の90%以上を水分が占める。4~6月に植えつけ、7~9月に収穫できる家庭菜園にも向く夏野菜、植物です。
最終更新: 2026年08月







