人工巣洞でシジュウカラの子育て観察記録【2025年7月12日〜トレイルカメラ映像】
- 三重県剪定伐採お庭のお手入れ専門店 剪定屋空

- 7月15日
- 読了時間: 4分
更新日:7月16日
2025年7月13日Green & Smile さんぽ道に設置した人工巣洞の横に設置されたトレイルカメラ記録にて、育児中のシジュウカラの姿を確認することができました。
この日は、数日前に確認された抱卵期を経て、ヒナの育児が本格化している様子が映像で収められていました。
撮影場所: 三重県鈴鹿市 展示庭園「さんぽ道」
設置機材: トレイルカメラ(塚本無線)・サーモグラフィー(FLIR社製)
観察対象: シジュウカラ(Parus minor)親子の育雛行動
撮影された様子(トレイルカメラより) 途中スズメも来てます^^

シジュウカラの生態
シジュウカラ スズメ目シジュウカラ科 留鳥
日本を含む東アジア、ロシア極東に分布 *ウィキペディア参照
全長13ー16.5cm 体重11-20g スズメほどの大きさ
黄緑色の背が美しく、頭部は全体に黒く頬が白い
風切羽は青味の入った灰色をしていて、お腹は白く顎から縦に黒いネクタイ模様がある

シジュウカラは、森林を主な生息地としますが、点在する緑地も利用することができるため、都市においても生息が可能な野鳥です。
一夫一妻制で、オスとメスが協力して子育てをします。
また鳴き声を組み合わせて仲間に警告をするといった言語能力を持つとして研究対象になっています。
雑食性で、昆虫やクモ、種子などを食べ、樹洞や巣箱などを利用して繁殖します。都市生態系の高次捕食者なので生態系の指標となっています。
シジュウカラなど虫を主食とする多くの小鳥の体重は僅か15グラム前後ですが、それでもたくさんの虫を食べ「大食漢のシジュウカラ」と言われています。シジュウカラ1羽が1年間に食べる虫の量をガの幼虫に換算すると、12万5千匹になるという古いドイツでの研究は、しばしば森林における鳥類の役割を知る教材とされてきているようです。
食べられる側の虫では、日本での研究がよく紹介されており、アメリカシロヒトリというガの4287個の卵から、幼虫、さなぎを経て成虫になれたのは僅か7匹だったそうです。繁殖期には樹木の食葉性昆虫を1日に数百匹消費者するため、昆虫の個体数を制限する生物学的防除の役割も担っています。
データに基づく駆除効果
年間捕食量(ドイツの研究データ)
年間捕食数: 約125,000匹(ガの幼虫換算)
1日平均: 約340匹
繁殖期1日: 数百匹の食葉性昆虫
アメリカシロヒトリの個体数制限効果
産卵数: 4,287個
成虫生存数: わずか7匹
駆除率: 99.8%以上
この驚異的な駆除効果により、シジュウカラは化学農薬に依存しない生物学的防除の重要な構成要素となっています。

サーモグラフィーで温度を計測するといかに樹木の中が涼しいか分かります。

このどんぐり人口巣洞には7月13日に9個の卵を確認してます。

*巣作りから巣立ちまで約1ヶ月半+2週間から1ヶ月は親鳥と共に暮らす
「巣作り」(3月下旬から4月上旬)・・・メスが1週間かけて作る。
材料はコケ、毛糸、犬の毛など「産卵」(4月中旬~)
1腹卵数は4から12だが、8から10が普通「抱卵」
孵化日をそろえるために、全部の卵を産み終わってから抱卵「孵化」
抱卵から13日から14日で孵化。数時間から1~2日で全て孵化する「巣立ち」
孵化後18日から20日で巣立ち。孵化後も2週間から1ヶ月は親鳥と共に生活する

人工巣洞「どんぐり帽子の巣」は、剪定屋空で伐採させていただいた樹木から自然資源を活かして製作され、柿渋で防腐処理した木製の人口巣洞になります。
この巣に、野生のシジュウカラが実際に入居し、抱卵〜育児を始めてくれたことは、大変嬉しく思います。
今後もトレイルカメラでのモニタリングを続け、巣立ちまでの育児の様子を見守ってまいります。次回は巣洞自体にカメラを取り付けた仕様も考えています。育児中の姿も見たい。
育児後の巣材の変化や使用痕の分析なども今後の観察対象となります。
野鳥が安心して暮らせる環境をつくることは、昆虫の調整、自然教育、地域生態系の再生につながる大切な第一歩です。剪定屋空は、これからも命が循環する庭の力を引き出していきます。






