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ヤブコウジ(十両)の育て方と斑入り品種|日陰に強い縁起植物の特徴と管理

  • 執筆者の写真: 飯島 一郎
    飯島 一郎
  • 2025年1月15日
  • 読了時間: 3分

更新日:6月6日

新年を迎えるタイミングでよく見かける縁起物植物「ヤブコウジ(十両)」。万葉集にも登場するほど古くから日本人に愛され、江戸時代の大流行で多くの品種が登場し、明治時代には投機対象とまでなった植物です。



特に人気が高いのが斑入りのヤブコウジで、グリーンに白やクリーム色の入る葉のコントラストが美しく華やか。ショップに並ぶ苗木には見事な赤い実がついていますが、よく見ると「人工実付き」の札があることも。斑入り品種は実がなりにくいため、飾りの人工果実をつけて販売されているのです。


ヤブコウジとはどんな植物か


ヤブコウジはサクラソウ科ヤブコウジ属の常緑低木です。日本・朝鮮半島・台湾・中国が原産地で、林床の日陰に自生します。草丈は10〜30cmと低く、冬でも緑の葉を保ち、11月〜2月頃に赤い実をつけます。


「藪柑子(やぶこうじ)」という名前は、ミカンの一種・柑子(こうじ)に似た実が藪に生えることが由来です。山橘(やまたちばな)という古名もあり、万葉集に詠まれた記録が残っています。


「十両」の名前と千両・万両との関係


ヤブコウジの別名「十両」は、縁起物として共に親しまれる千両・万両・百両(カラタチバナ)・一両(アリドオシ)と合わせて「お金の木」シリーズとして知られます。名前の由来は果実や植物の価値・大きさを当時のお金の単位に例えたものです。


お正月の床の間や玄関に飾られる縁起植物として、千両・万両は特に有名ですが、ヤブコウジ(十両)もその仲間として古くから愛されてきました。



江戸時代の大ブームと斑入り品種


江戸時代の寛政年間、葉に斑が入る変わり葉のヤブコウジが好事家の間で大人気となりました。多くの品種が作り出され、明治時代には全国的なブームへ発展。希少な斑入り品種は高額で取引され、投機対象とまでなったほどです。


斑入りヤブコウジの人気は「葉芸(はわざ)」と呼ばれる葉の模様を楽しむ日本独自の園芸文化から生まれました。白や黄、複数色の斑が入る葉は一株ずつ異なり、それが希少価値を高めていました。


日陰に強い庭での活かし方


ヤブコウジは半日陰から日陰に強い植物です。直射日光が長時間当たると葉焼けを起こすため、建物の北側や木の下など日の当たりにくい場所が向いています。シェードガーデンのグランドカバーとして、または鉢植えで軒下に飾る使い方が人気です。


三重県の庭でも、常緑でコンパクトに育つヤブコウジは日陰の足元を彩るアクセントになります。冬の赤い実は他の植物が少ない時期に庭を賑わせてくれます。


育て方のポイント


水やりは土が乾いたらたっぷり与えます。過湿は根腐れの原因になるため、水はけの良い用土を選びましょう。庭植えの場合は腐葉土を混ぜ込んだ半日陰の場所に植え付けます。


植え替えは3〜4月または9〜10月が適期です。挿し木での増やし方は3〜6月が向いており、若い枝を5〜10cmに切り取り、赤玉土(小粒)や鹿沼土に挿します。根がついたら鉢や庭に移植します。


斑入り品種の実がならない理由


斑入りヤブコウジは葉の緑の部分が少ない分、光合成能力が低くなります。そのため結実に必要なエネルギーが十分に作れず、実がならないことが多いのです。ショップで「人工実付き」として販売されているのはこのためです。


実は付かなくても、日陰でもよく育つたくましさと美しい斑入り葉が魅力です。お正月の縁起植物としての雰囲気は人工実でも十分に楽しめます。


 
 
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