倒れる前にわかる。危険な木を見分ける5つのサインと専門家の判定基準
- 飯島 一郎

- 2023年4月21日
- 読了時間: 5分
更新日:5月17日
庭の木が突然倒れた——そんな事故は、ほとんどの場合、事前にサインが出ています。根元のキノコ、幹の空洞、葉の急な枯死。これらは木が「限界に近い」ことを伝えているサインです。

危険木の診断には、根元・幹・葉・地盤・周辺環境の5つの視点があります。専門家(樹木医)が使う判定基準も交えて解説します。
サイン1:根元を見る——キノコと地盤の変化

根元は倒木リスクの最大の手がかりです。特に注意すべきは以下の3点。
キノコ・コンク(子実体)
根元や幹の基部にキノコやコンク(半円形のきのこ状の構造体)が生えている場合、内部で木材腐朽菌がすでに活動しています。地上に子実体が現れる時点では、内部の腐朽はかなり進行していると考えてください。白色腐朽菌はリグニン・セルロース・ヘミセルロースをすべて分解し、木材を白くスポンジ状にします。褐色腐朽菌はセルロースを優先的に分解し、幹が褐色のブロック状に崩れていきます。
地盤の盛り上がり・亀裂
根元付近の土が盛り上がっていたり、放射状に亀裂が入っていたりする場合は、根が腐って支持力を失いつつあるサインです。強風時に根ごと倒れる「根返り」が起きやすくなっています。
根の黒変・軟化
地際の根が黒ずんでいたり、指で押すと柔らかかったりする場合は根腐れが進行中です。
サイン2:幹を見る——空洞・ひび割れ・傷

幹の状態は木槌で軽く叩くことで確認できます。健全な材は澄んだ音がし、空洞がある場合は鈍い音がします。
判定の目安(日本緑化センター基準)
・幹径の1/3以上の深さの腐朽や空洞がある場合 → 危険度「高」
・空洞率が50%以上、または開口空洞の角度が120度以上 → 伐採を検討
縦に深い亀裂(縦裂れ)は、過去の落雷・急激な乾燥・幹腐朽の進行によって起きます。小さなひび割れに見えても、内部で大きく広がっているケースがあります。

サイン3:葉を見る——変色・萎れ・落葉の時期外れ

葉は木全体の健康状態を映す指標です。ただし、落葉樹は季節によって葉がない時期があるため、常緑樹か落葉樹かを先に確認することが必要です。
注意すべき葉のサイン
・葉が春〜夏に急に茶色くなる・萎れる(根や幹が水分を送れていない) ・例年と比べて著しく葉が小さい・少ない ・時期外れに大量落葉する
一方、秋の黄葉・紅葉は正常な落葉です。判断に迷う場合は、前年の同時期と比較するか、専門家に確認してもらうことをおすすめします。
サイン4:藤などのつる植物が巻きついていないか
藤(フジ)やクズ、ノブドウなどのつる植物が幹に絡みついた場合、直接絞め殺すことは一般的にありませんが、樹冠を覆って光合成を妨げたり、重さで倒木のリスクを高めたりします。また、つるが幹を締め付けることで、樹皮下の水・養分の通り道(形成層)を圧迫するケースもあります。
フジのつるは非常に強く、切っても根が残ると再び伸びます。幹への巻きつきを見つけたら、根元から切除し、再生を定期的に確認することが必要です。
サイン5:木の傾きと周辺地盤

明らかに傾いている木は、根の支持力が失われている可能性があります。特に傾きが進行中(昨年よりも傾いている)の場合は早急な対応が必要です。
地盤が柔らかい・水が溜まりやすい場所に立つ木は根腐れが起きやすく、強風による根返りのリスクが高まります。
目視で判断できないときは専門家へ


上記のサインは目視での確認が基本ですが、内部の腐朽は外見からはわかりません。精密調査では木槌による打診や、超音波・振動波を使ったトモグラフィ(断面内部の可視化)が行われます。
「倒れそうかどうか気になる木がある」という段階でご相談いただけます。倒れる前に動くことが、建物・人への被害を防ぐ最善策です。
そもそも、木が倒れる主な原因は?
倒木の原因は大きく3つに分けられます。 1. 強風・台風などの自然災害(最も多い) 2. 根腐れ・幹腐朽などの内部劣化 3. 道路工事・建設工事による根の切断・地盤変化
自然災害であっても、健全な木は簡単には倒れません。内部に腐朽や空洞がある木が、台風の強風で倒れるケースが多く報告されています。
落葉期の見落とし注意——常緑樹と落葉樹の違い
冬に葉がなく「枯れているのでは?」と思って伐採してしまうケースが実際にあります。以下の代表的な落葉樹は、11月〜4月頃は葉がない状態が正常です。
落葉樹(葉がない時期が正常):コナラ・モミジ・ケヤキ・サクラ・カキ・ウメ・イチョウ・ハナミズキ・フジなど
常緑樹(一年中葉がある):マツ・シイ・カシ・クスノキ・ツバキ・サザンカ・キンモクセイ・ソテツなど
葉がない時期でも、枝の弾力・芽の有無・樹皮の状態を確認することで生死を判断できます。迷ったときは専門家にご相談ください。
「この木、大丈夫かな?」と気になったら、まずご相談ください。三重県・四日市市・菰野町を中心に、危険木の診断・伐採に対応しています。
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