日本の古来ハーブ代表。女神の名を持つ「ヨモギ」
- 飯島 一郎

- 2021年4月3日
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更新日:5月17日

春になると、道端や土手にふわふわした緑の草が茂りはじめます。気にも留めずに踏んでいたかもしれませんが、揉んでみると独特のやわらかな香りが立ちのぼります。それがヨモギです。
ヨモギは日本各地に自生し、道端、草むら、河原と場所を選ばず根を張ります。繁殖力が旺盛で、インド、中国、ヨーロッパ、アメリカにも帰化し、世界中で200種以上が分布しているといいます。それほど逞しい植物なのに、学名は「アルテミシア」。ギリシャ神話の月と狩猟の女神アルテミスに由来すると言われます。山野の守護神とも称されたアルテミスの名を冠すると聞けば、道端の草がちょっと違って見えてきます。

ヨモギと日本人の暮らし
日本では古くからヨモギは暮らしに溶け込んできました。春先に若葉を摘んで草餅や天ぷらにする。お茶として飲む。乾燥させた葉をもぐさにしてお灸の素材にする。よもぎ蒸しとして美容や婦人科系のケアに使う。万能薬草と呼ばれるゆえんは、その使い道の広さにあります。子どものころ、転んだ擦り傷にヨモギの葉を揉んで当てた記憶がある方もいるかもしれません。止血や殺菌の効果が昔から知られていたのです。
アロマテラピーの観点でも、ヨモギは注目される植物です。精油に含まれるシネオールという成分が、あの爽やかでスパイシーな香りの正体で、リラックスや安眠を助けるとも言われます。血行を促す作用は肌の代謝を高めることにつながり、アンチエイジング効果として研究が進んでいます。虫よけの効果もあるため、野外で活動する際にも頼りになります。

世界的に「ハーブの女王」とも呼ばれるヨモギ。その名声にはきちんと理由があります。どこにでも生えている草を、ただの雑草で終わらせない。日本人がヨモギと付き合ってきた長い歴史の中に、植物の使い方を知る深い知恵が詰まっています。







