ホンシャクナゲの育て方と花後の管理|鈴鹿山脈と庭をつなぐ日本固有のシャクナゲ
- 飯島 一郎

- 4月28日
- 読了時間: 3分
更新日:5月30日
鈴鹿市のお庭で、ホンシャクナゲ(本石楠花)が咲いていました。白子の海岸から鈴鹿山脈まで、直線でおよそ20キロメートル。5月が見ごろのこの花が、平地の庭でひと足早く咲いていました。
山の岩場や尾根筋に自生するこの木が、なぜ庭で咲けるのか。その答えは、土と光と水にあります。

ホンシャクナゲとは ─ 日本固有のシャクナゲ
ホンシャクナゲ(学名:Rhododendron japonoheptamerum var. hondoense)は、ツツジ科の常緑低木です。本州(新潟以西)・四国の深山に自生し、日本を代表するシャクナゲとして「本(ほん)」の字が名前に宿っています。
花冠は7つに裂け、雄しべは14本。枝先にまとまって咲く白〜淡紅色の花は、山の岩場から庭の一隅まで、場所を問わず人の目を止めます。鈴鹿山脈では5月が見ごろで、標高が高くなるほど遅く咲きます。
庭で育てる ─ 山の環境を再現する3つのポイント
シャクナゲが庭でうまく育たない原因のほとんどは、土・光・水の不一致にあります。
土:pH5.0〜5.5の酸性土壌を好みます。腐葉土とピートモス(酸度未調整)を土にすき込みます。菰野町や鈴鹿山麓のような火成岩系の土壌はもともと酸性傾向があり、適性が高い地域です。
光:午前中に柔らかな陽が当たり、午後から日陰になる半日陰が理想です。西日は葉を傷め乾燥を招きます。雑木の木もれ日のような光が合っています。
水:根は浅く、過湿でも乾燥でも傷みます。堆肥やバークマルチで表土を覆い、根元の温度と水分を安定させます。

花が終わったら ─ 翌年の花芽を守る管理
シャクナゲの花芽は、前年の夏(7〜9月)に形成されます。今年の花後の管理が、来年の花数に直結します。
花後にすることはひとつ。花がらを早めに摘む。花びらだけでなく、中心のめしべごと取り除きます。種を結ばせると株の体力が消耗し、翌年の花が減ります。
剪定は基本的に必要ありません。強く刈り込むと新芽が出にくくなります。樹形を乱す枝があれば、柔らかいうちに指で摘む程度にとどめます。
肥料は花後(4〜6月)にお礼肥として油かすや緩効性化成肥料を。秋(9〜10月)と寒肥(2月)にも同様に施します。

山と庭をつなぐ木
鈴鹿山脈では、御在所岳や入道ヶ岳の尾根筋にホンシャクナゲが群生します。山の厳しい環境で身につけた酸性への耐性と乾燥への抵抗力が、庭でも活きています。
三重県の里山で庭づくりをしていると、山と庭がつながっていると感じます。山から吹き下ろす風、雨水の流れ、土のpH。庭の植物を長く育てるには、その土地の山を知ることが、遠回りのようで近道です。

ホンシャクナゲ 基本情報
学名:Rhododendron japonoheptamerum var. hondoense 科名:ツツジ科 分類:常緑低木
樹高:1〜4m 開花期:4〜5月(平地)/ 5〜6月(山地) 好適pH:5.0〜5.5
分布:本州(新潟以西)・四国
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