花粉症は、スギだけじゃない。庭に潜むイネ科の草「アワガエリ」
- 飯島 一郎

- 2023年5月11日
- 読了時間: 3分
更新日:6月4日
春から夏に向かう気候のよい季節、道端やちょっとした空き地の草花たちも活き活きのびのびと成長しています。

エネルギッシュな草花を見るのは気持ちのよいものですが、いやいや春先の外はツライ…やっぱりマスクは手放せない…という花粉症に悩む方にとってはツライ季節。
日本人の国民病ともいえる花粉症は主にスギ花粉のアレルギーですが、スギ開花の季節は終わったのに、いつまでも鼻が…目が…という症状がある場合、実はスギだけでなくオオアワガエリやカモガヤが原因という場合もあるようです。5月~8月に花粉が飛散するので、初夏から夏場に症状がある場合、スギ以外の影響を受けているのかもしれません。
この画像のブラシのような形状の草花は「オオアワガエリ」。
イネ科、アワガエリ属、ヨーロッパを原産とした外来種、明治時代には日本へ渡来、初期の目的は牧草としての利用で現在もウサギなど小動物のエサにも活用されているようです。道端や空き地によく見かけるいわゆる雑草扱いの植物で、耐寒性もあり繁殖力が強く、北海道から九州までほぼ全国に分布しています。
同じイネ科のエノコログサ(ねこじゃらし)にもよく似ているのですが、よくよく見るとエノコログサのほうが毛が細かく長い。オオアワガエリのほうがしっかりしたタワシ感、ブラシ感、があるといったところでしょうか。
子どもたちがついつい手に取ってしまいそうなスタイルのオオアワガエリですが、春以降いつまでたっても調子が戻らない…そんな花粉症気味の方は、樹木だけでなく道端の草花花粉から影響を受けているのかもしれませんので、くれぐれもお気をつけて。
花粉の飛散距離は「数十メートル」
スギ花粉と大きく違う点があります。オオアワガエリの花粉が飛ぶ距離は、数十メートル程度。遠くまで飛ばない、という特性があります。
言い換えれば、「庭や身近な場所に生えていなければ、影響はずっと小さい」ということです。空き地や道路脇に群生していても、距離が取れれば吸い込む量は減る。逆に庭の縁や花壇の周りに生えていれば、洗濯物や窓を開けるたびに花粉が入ってくる。
三重県を含む東海地方での飛散ピークは5月下旬から7月。スギが落ち着いた後、この草が主役になる季節です。

庭師が教える、対処の3ステップ
オオアワガエリは多年草です。刈っても根が残れば翌年また生えてきます。「毎年同じ場所に出てくる草」として心当たりがある方もいるかもしれません。
まず、開花前に刈る。5月中旬までに刈り取れば、その年の花粉飛散をゼロにできます。穂が出てからでは遅い。穂が出る前、茎が伸び始めたタイミングが刈り時です。
次に、根元から掘り取る。刈るだけでは毎年繰り返します。スコップやクワで根ごと掘り起こすことで、再発を抑えられます。
再発防止には、防草シートかグリホサート系除草剤が有効です。ただし芝生の中に生えている場合は芝を傷めるため、手取り除草が基本になります。

お庭の草管理が、花粉症対策になる
スギ花粉と違い、アワガエリの花粉は「身の回りの管理」でかなり防げます。毎年この時期になると鼻や目の調子が悪くなる…という方は、お庭や家の周りを一度見回してみてください。
ブラシのような穂が出る前に、一手を打つ。それだけで今年の夏の過ごしやすさが変わるかもしれません。






