空に向かってスッとのびた茎、大ぶりでふんわりとした花をたくさんつける初夏の植物「立葵(タチアオイ)」。存在感のある花は下の方から咲き始め、頂上に向かって咲き進む。てっぺんの花が咲く頃には梅雨が終わると言われています。
タチアオイ:アオイ科タチアオイ属、原産地はアジア、花期は6月~8月。和名の立葵とともに「Holly hock(ホリホック)」という名前で呼ばれることも多く、この英名の方が馴染みのある方も多いかもしれません。これは葉の形がヒイラギ(ホーリー)に似ていること、茎の節がボコッとでている節くれ(ホック)があることから、またタチアオイ属には薬用に使用される植物も多いことから学名には「アルケア=病気を治す」の意味も。
また英名がメジャーな理由のひとつは本場イギリスではホリホックがボーダーガーデン設計には定番植物で、ガーデナーに広く認知されていることがあります。
大きなものでは2mほど、人の背丈ほどにもなり目線の位置に大きな花をつけてくれるので、華やかなガーデンデザインにはぴったりです。色数も豊富で画像のような鮮やかで深い赤色から白、黄色、紫、黒などバリエーションも豊富。1本でも存在感のあるタチアオイが並んで植えられると豪華な雰囲気になりそうですね。
性質も強く、本来は二年草ですが耐寒性耐暑性を兼ね備えており、環境がマッチすると宿根し何年も同じ場所で花を咲かせることも。日本では公園や学校の花壇、家屋や道路沿いに立派に育っている姿もよく見かけます。
ご近所のタチアオイがてっぺんまで花が全部咲いた頃には、梅雨が明け、空が夏色に変わっているのかもしれません。