春の空、青空に映える白い花「木蓮(モクレン)」。
3月初旬にはフワフワとした銀色の毛でおおわれたつぼみがつき、暖かくなるにつれて美しい大きな白い花をつけてくれます。
モクレンというと一般的には紫色をした「紫木蓮(シモクレン)」を指すことが多いですが、白い花をつける樹木は「白木蓮(ハクモクレン)」として区別されているようです。
モクレン科モクレン属、原産地は中国で日本での流通名にはハクレン、ハクレンゲもあります。学名はMagnolia denudata、見た目も似ている白い花「コブシ」や「タイサンボク」も含めたモクレン(マグノリア)科の総称でもある「マグノリア」と呼ばれることも。
咲き始めは細長いたまごのようなスタイルから、徐々にふっくらと開く花姿。蓮の花に似ていることから樹木に咲く蓮=「木蓮」、空に向かって上向きに咲く様子からは「天国に咲く蓮の花」とも表現されます。
蓮の花は仏教に関わりが深いため、中国では寺院などにモクレンの木を植える風習もあるそうですが、日本でも街路樹や公園、庭木として好まれる植物なので、3月~4月頃には、遠くからでも大きな白い花が目に留まることもあるかと思います。
樹高10m以上になるほどの大きな木なので、地植えで風通しのよい陽の当たる場所を好み、基本的には暑さ寒さに強く、土の状態も特別に配慮がいらないので根付いてしまえばあまり心配なく育つ性質。
花言葉には「荘厳」「気高さ」「高潔」「慈悲」など。天に向かって咲く蓮の花のような神聖さと神秘性も感じられる花姿にはぴったりの言葉ですね。
見上げるような高い枝先に清々しく咲く白い花は、春の代表花である桜ともまた違った力強い魅力があるように感じます。
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