根に直接届ける。ポアーノズルを使った土中灌注の考え方
- 三重県剪定伐採お庭のお手入れ専門店 剪定屋空

- 14 時間前
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管理をさせていただいているお庭で、気になることがあります。表面から水も肥料も与えているのに、庭木の葉色がすぐれない。
枝先から少しずつ枯れ込んでいる。
そうした状態の木に共通しているのが、根元の土が固く踏み締められているという状況です。
栄養が届いていないのではなく、根が息できていないことが原因である場合があります。
そのような場面で、私たちが選ぶことがある道具のひとつが、ポアーノズルによる土中灌注です。
ポアーノズルとは

永田製作所が製造するステンレス製の液肥注入器です。全長約93cmのノズルを土壌に突き刺し、動力噴霧機(動噴)の圧力を利用して、根圏に直接液肥や活力剤を届けます。
製品にはS型とSDX型の2種類があります。SDX型には空気導入機能が備わっており、薬液の注入と同時に空気を土中に送り込む構造になっています。
灌注とエアレーションを一度に行うことができるのが、この型の特徴です。
栄養を与えることより、土に息をさせること
土壌灌注による施肥については、肥料の届け方による差はほとんどなく、表面散布でも同等の効果が得られるという研究も示されています。

栄養を届けることだけが目的であれば、必ずしも土中に注入する必要はありません。
では、なぜ土中灌注を選ぶのか。
踏み固められた庭の土では、根域に水も空気も届きにくい状態になっています。
ノズルを突き刺すという行為そのものが、土に穴を開け、空気の通り道をつくります。
SDX型の空気導入機能を使えば、噴射点から25〜50cm程度の範囲にわたって土壌をほぐすことができます。
何を入れるかより先に、根が息をできる場所をつくることが出発点です。
何を注入するか
まず土壌の状態を確認することが前提です。
軽度の衰弱(葉色が薄い、やや元気がない程度)メネデールとフルボ酸の組み合わせが多いですが今回は粉炭も不燃布に入れて詰まるかなと思いましたが灌注できました。

中度以上の衰弱(枯れ枝が出始めている) まず水とフルボ酸のみで灌注し、土が少しほぐれた後に菌根菌資材を加えるという段階を踏みます。
菌根菌は、土壌中のリン酸濃度が高い場合や、殺菌剤の使用後しばらくの間は定着しにくいため、使う順序が大切です。
施工のタイミング
最も適しているのは秋です。地上部が休眠に入った後も根は活動を続けており、冷涼で安定した環境の中でリン・カリウムを吸収し根の充実をはかります。
春(萌芽後)も有効です。真夏は高温障害のリスクがあり、厳冬期は根の吸収効率が低下するため、どちらも基本的には避けます。
また、乾燥した状態での施工は効果が下がります。雨の後や、事前に散水してから行うのが原則です。
竹林整備との循環
もうひとつ、可能性として考えていることがあります。竹林整備で出た竹を炭化した竹炭を、土中灌注の資材のひとつとして活用することです。
竹炭(バイオチャー)は、保水性・通気性の改善に加え、菌根菌の定着拠点になる効果が報告されています。
竹を切り、炭にして、根域に戻す。管理の過程で出た素材を庭や林に返していく、この循環は、しがら工法で竹を使って斜面を守るのと同じ方向にある考え方だと感じています。
根のある場所を、整える
土中灌注は万能ではありません。根が重度にダメージを受けているときは、より直接的な手当てが必要です。
まず土の状態を知り、何が足りていないかを見極めてから道具を選ぶことが前提です。
表土から与えるのではなく、根のある場所に届ける。その選択が、結果に表れることがあります。
年間管理をさせていただいているお庭での土壌改良や施肥管理についても、ご相談をご希望の方はお気軽にお声がけください。






