お正月の松飾りをはじめ縁起の良い植物として馴染みのある「松」。日本には赤松(アカマツ)、琉球松(リュウキュウマツ)、五葉松(ゴヨウマツ)、這松(ハイマツ)、朝鮮五葉松(チョウセンゴヨウマツ)そして画像の黒松(クロマツ)の6種類が自生しています。
その中でもクロマツは寿命も長く樹高30mになるものがあるほど立派な樹木。樹皮や葉も他の品種より硬い質感で、日本全国の沿岸に自生しているように海の潮風にも夏の日差し、大気汚染にも強いので防風林や街路樹としても活用されます。風情のある庭木としても人気ですが、「芽摘み」「葉透かし」「もみあげ」といった少し専門的な剪定も必要のようで、ちょっと素人には手が出しにくいイメージも。
立派な松の木のあるご近所のお庭もいつも専門の職人さんが剪定されているようです。
松は長寿であり一年中葉の色が変わらない常緑樹、常盤色(ときわいろ)と呼ばれる青々とした葉にどっしりと構えた風貌から不老長寿の象徴。その他にも松は「不変」、仕事運の繁栄や健康運の維持、また2枚葉で落ちることから夫婦愛の象徴にもされています。
そして民俗学的に松は「末」「待つ」が語源だとされる説もあり、神様が来る場所の目印「依り代」(よりしろ)という捉え方もされている木。お正月に玄関前に門松を飾り、松飾りをするのも、新年に神様に迷わず来ていただくための目印という意味合いがあるのですね。
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