家庭の庭やプランターでも育てやすい人気の花「ムスカリ」。
ブドウの実がついたような、おもしろい形の花は小さいながらも目に飛び込んでくる印象的な植物です。
画像のような紫色の花を良く見かけますが、改良された品種には白や水色、ピンク、さながらバナナのようなゴールデンカラー、グラデーションカラーの花もあります。
ユリ科ムスカリ属の多年草で、原産地は南アフリカや東南アジア、地中海沿岸で世界に分布。開花時期は3月~5月、時期的にもチューリップと一緒に植えられることが多く、花公園などでは赤いチューリップの補色花としてデザインされているのを見かけます。
muscari(ムスカリ)の語源はギリシア語で「麝香(じゃこう)」を意味する「muschos(ムスク)」。
男性化粧品などにも使われる香りですが、独特の強い芳香を放つところからその名がついているようです。
また歴史的にも古く、6万年前のネアンデルタール人埋葬跡に供えられていた「世界最古の埋葬花」としても知られています。
もともとヨーロッパでは「青い花は悲しみの象徴」とされる伝統があるので、古い時代の祖先達もムスカリを亡き人に手向ける花として選んだのかもしれませんね。
花言葉にも少し悲しい雰囲気の「失望」「絶望」というネガティブな意味ももちます。
少し怖い花言葉にも感じるかもしれませんが、逆に「明るい未来」「夢にかける想い」などポジティブな言葉も一緒につけられていることから、失意から立ち上がる強さや気持ちをトータルに捉えたイメージなのでしょう。
悲しみとその先の未来をつなぐ素敵な花ですね。