「なんじゃもんじゃ」という変わった名前の樹、正式名称「ヒトツバタゴ」にブルーベリーのような色のぷっくりとした実がなっていました。
春の雪のような開花は美しく、珍しい樹木ということもあり遠くから撮影や鑑賞に訪れる方も多いのですが、ヒトツバタゴに実がなるというのはあまり知られていないのかもしれません。
しかも並木道を見ていくと実が付いた樹とついていない樹があります。これは雌雄異株(雌花と雄花を別々の個体につけるタイプの植物)という理由なのですが、ヒトツバタゴには雌花のみを咲かせる「雌株」がなく雄花だけが咲く「雄株」とひとつの株に雄花と雌花が咲く「両性株」のみ。つまり雄株には実がならないため、果実がなっている樹は「両性株」だということ。なんだか不思議な気もします。
ヒトツバタゴは日本でも限定された地域(木曽川流域(愛知・岐阜)と対馬) に自生が見られる落葉性の高木で飛び地のように分布がある変わった樹木。対馬自生地の樹木は天然記念物に指定されています。
濃紺のまるまるとした形は、見た目には美味しそうにも思えるのですが、どうやら「鳥も食べない」らしく味は期待できなさそう。生育地が全国に広がらないのは「美味しくない?実とタネ」にも理由があるのかもしれませんね。まだ謎も多いヒトツバタゴ、もし近くに樹木を見つけたらぜひ果実もチェックしてみてください。
ヒトツバタゴ:モクセイ科、別名ナンジャモンジャ ナンジャモンジャノキ、原産地は日本(本州中部 対馬)、海外では朝鮮半島、台湾、中国大陸の一部に分布。環境省レッドリストでは絶滅危惧種2類(VU)に指定されている希少種です。
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