赤い花白い花。2色を咲かせるキメラ種 源平ツバキ
- 飯島 一郎

- 2020年5月4日
- 読了時間: 4分
更新日:5月12日
一本の木から赤と白の2色の花。いつの頃からかうちのツバキは不思議な配色になっていました。元々はどっちの色の花が咲いていたのだろう?記憶にないくらい、もう長いことこの混在カラーです。

こういう種類の木があるのかとも思っていたのですが、どうやら元は赤の花の木で、遺伝子の突然変異で白い花が咲くようになり赤白混在になっていくのだそう。
これは梅や桃の木にもあるらしく源氏の旗が白、平家の旗が赤だったことにちなんで「源平咲き」、細胞学的にはこういう生物を「キメラ」というそうです。
キメラは、ギリシャ神話にでてくる怪物(頭がライオン、胴がヤギ、尾がヘビ)、異なる状態が混じったものを意味しています。赤い花の色素はアントシアニンだということなので、土やまわりの環境からか栄養状態が変ってしまったのかもしれませんね。
ツバキは花がポトンと落ちてしまうことから縁起がよくない花と言われたりもしますが、日本ではかなり古い時代から庭木として親しまれ、品種もかなり豊富。種から摂れる油は化粧品やシャンプーなど美容にも役立てられ、某有名化粧品ブランドのシンボルとしても使われています。
種類も色も様々な椿ですが、どの品種も凛とした美しさ、華やかな美しさを持ち日本らしいイメージも感じます。赤も白もピンクも素敵ですが、ミックスされた不思議な色合いの源平ツバキを楽しめるのも贅沢。開花の間に源平椿を楽しみたいと思います。
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源平咲きが起きる理由
一本の木に赤い花と白い花が同時に咲く——これは「植物キメラ」と呼ばれる現象です。ツバキの細胞の中で体細胞変異が起き、アントシアニンという赤い色素を合成する遺伝子のはたらきが一部の細胞だけで失われることで、同じ枝の中に赤と白が混在します。
植物キメラには「区分キメラ」と「周縁キメラ」の二種類があります。区分キメラでは枝ごとに色が変わり、白い枝を挿し木すれば白花だけが咲く苗も作れます。しかし周縁キメラは細胞の配置が複雑なため、挿し木をしても元通りの混在模様に戻らないことがあります。「白だけにしたい」「赤だけにしたい」という望みが叶いにくいのは、こうした植物の仕組みによるものです。

ツバキのお手入れ(庭師目線)
ツバキの剪定は「花が終わったらすぐ」が鉄則です。3〜4月、花が散り終えた直後に樹形を整えるのが最も安全なタイミング。6月以降になると翌年の花芽が枝の先端にできはじめるため、その時期以降に剪定すると花芽を切り落としてしまい、翌春に花が咲かなくなります。
縁起の話については、武家の間では「椿の花がポトンと落ちる様子が首の落ちるさまに似ている」として嫌われたという歴史があります。ただ、これは武士の時代特有の感覚であり、現代のお庭に植えることに実害はありません。ご不安な方には、花がらをこまめに拾う習慣をおすすめしています。落ちる前に手で摘み取れば、見た目も清潔に保てます。

よくある質問
椿の剪定時期はいつですか?
花が終わった直後の3〜4月が最適です。6月以降は翌年の花芽が形成されるため、この時期以降の剪定は花数が減る原因になります。枯れ枝や混み合った枝を整える軽い剪定なら花後すぐに行い、大きく形を整えたい場合も同じ時期にまとめて行うと安心です。
白だけ、赤だけに咲かせることはできますか?
難しいです。源平咲きは体細胞変異によるキメラ現象のため、特定の色だけにコントロールする方法はほぼありません。白花だけの枝を挿し木すれば白花の苗ができることはありますが、再び混在模様に戻ることもあります。
縁起が悪いと聞きましたが、庭に植えていいですか?
現代のお庭には問題ありません。「花がぽとりと落ちる=首が落ちる」という連想は武家の時代の感覚であり、現在の一般家庭では気にしすぎる必要はないと考えています。気になる場合は、花がらをこまめに手で取り除く習慣をつけると清潔に保てます。
ツバキをはじめとした庭木の年間管理は、三重県の剪定屋空にご相談ください。花後の剪定・樹形づくり・病害虫の確認まで、季節に合わせた管理をご提案します。







