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鈴鹿市にてお庭の定期管理 笹は刈り込むだけでは足りません

執筆者の写真: 飯島 一郎
飯島 一郎
8 分前
読了時間: 3分

三重県鈴鹿市のお庭で、定期管理をさせていただきました。


この日の主な仕事は、塀沿いに植わっている笹の手入れです。


笹の手入れと聞くと、表面をきれいに刈り込む作業を思い浮かべる方が多いと思います。ただ、それだけだと足りません。笹は地下茎で横へ横へ広がるので、刈り込むほどに、帯が年々太っていきます。


少しずつ手で笹を間引きながら、溜まった古葉を掃除していきます。あまり笹自体の感覚を開けすぎるとヤブガラシが生えてくる環境なので、密生させてつつ土は手で中耕しています。


膝をついて、手で刈り込む
膝をついて、手で刈り込む

間引くということ

現場でこんなやりとりをしていました。


このあたり、ちょっと間引いてもらって。この笹も間引いて。


どんどん進んできちゃうからね。


進んでくる、というのが笹の性質です。地面の下を走る茎が、少しずつ前へ出てくる。表面だけを刈っていると、その広がりには気づけません。気づいたときには、石畳のほうまで出てきています。


間引くというのは、混んでいる株を抜いて、風と光を通すことです。密になった笹は、中のほうが蒸れて枯れ上がります。枯れた葉が溜まると、見た目も悪くなる。



刈り上がり。面がまっすぐ通る

抜根の前に、地面の下を確かめる

この日はもう一つ、木を1本抜きました。


笹の帯の真ん中から、アズキナシが伸びてきていました。バラ科の落葉樹で、秋に赤い実をつけます。山では美しい木です。


ただ、ここでは陽が照りすぎている環境であまり適しておらず今回抜根させていただきました。



スコップを入れる前に、一つ確かめることがあります。


配線です。


庭には照明が入っていることがあります。その配線が、壁に沿って回っているのか、地面の下を通っているのか。図面が残っていないお庭も多いので、施主様に伺いながら進めます。


この日は、壁のライトから中へ繋がっている見立てでした。それでも、掘る場所を決める前に一度聞きます。スコップは、確かめてから入れるものです。


アズキナシを抜いた跡。笹の帯の真ん中が空いている
アズキナシを抜いた跡。笹の帯の真ん中が空いている

この時期の下草

ヤブランが花の盛りでした。


紫の穂が、葉のあいだから立ち上がってきます。8月から10月ごろ。花が終わると黒い実がつきます。


日陰に強く、地面を覆ってくれる草です。笹の帯の足元で、シダや玉竜と一緒に入っています。派手ではないのですが、この時期にちゃんと咲いてくれる。


ヤブランの花
ヤブランの花

このお庭にある木

このお庭には、マルバアオダモが入っています。


モクセイ科の落葉高木で、三重の山に生えている木です。鈴鹿山脈の北のふもと、平地から山地の日当たりのよいところに育ちます。


枝も葉も対生で、左右一対が同じ高さから出ます。小葉の数が少ないので、樹冠が透けます。春、葉のあとに白い小花を上向きにつけます。


庭に植えると、どうしても大きくはできません。ただ、本来はこういう形になる木だということを、知っておいていただきたいと思って、絵にしました。


マルバアオダモ 本来の自然樹形
マルバアオダモ 本来の自然樹形

一年を通して見ること

定期管理でお伺いしていると、同じ場所の変わり方が見えてきます。


笹の帯がどちらへ進んでいるか。去年抜いたはずの木が、また出てきていないか。下草が減っていないか。


一度きりの手入れでは、そこまで分かりません。前に来たときの記憶があって、はじめて変化として見えます。


何をしているか分からないままだと、お庭の側も面白くないと思うのです。だから、その日にやったことと、なぜそうしたかは、できるだけお伝えするようにしています。


 
 
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