樹洞形成のメカニズムと美学―自然が刻む唯一無二の造形
- 三重県剪定伐採お庭のお手入れ専門店 剪定屋空

- 28 分前
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樹洞のある丸太を集めています。

自然に出来た樹洞(じゅどう)の形はとても面白く、同じ表情の樹洞はひとつもないのです。
樹木学の観点では、こうした大きな樹洞は「心材腐朽(Heart rot)」の結果として形成されることが一般的です。幹の中心部にある古い組織(心材)が、特異的な菌類によって分解される一方で、外側の新しい組織(辺材)は生命活動を続け、木を支え続けます。
「どんな過程を経て、このような樹洞になったのだろう」と、思いを巡らすこともまたロマンを感じます。

こちらのカシは枝が折れたか剪定された切り口にカルスが巻き樹洞になりかけていました。
樹木には、傷ついた際に菌の侵入を防ごうとする
防御帯形成(CODIT: Compartmentalization of Decay in Trees)」という機能が備わっています。
写真に見られる巻き込みは、植物学的には「癒合組織(Wound wood)」とも呼ばれ、傷口を塞ごうとする物理的なバリアです。この丸みを帯びた形状は、樹木が自身の身体を守ろうと闘った、生命の力動的な痕跡そのものなのです。

こちらのカキノキは、大きく膨らんだコブの真ん中に窪みがあります。
通常とは異なる細胞分裂や、局所的な刺激によって生まれたこのコブは、木目の流れを複雑にし、他にはない野性味あふれる表情を見せてくれます。
樹洞は単なる穴ではなく、森の中では鳥類や小動物、昆虫たちの隠れ家(マイクロハビタット)として機能し、生物多様性を支える重要な役割を担っています。
私たちは、そんな「森のマンション」とも呼べる生命の履歴を、暮らしの宝物としてお届けしたいと考えています。
それぞれの個性を大切に。 十人十色の樹洞たちが、あなたの元で新たな物語を紡ぎますように。
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