日本の風景に溶け込んだ野に咲くかわいい白い花「シロツメグサ」。
公園や道端にいつでも見かける馴染み草花であり、四葉のクローバーを探したり、シロツメグサで花冠をつくったりした子どもの頃を思い出す懐かしい植物かもしれません。
ところが意外にもシロツメグサは外来種。『日本帰化植物図鑑』(長田武正/著 北隆館 1972.3)他数冊の資料には‘’シロツメクサは弘化3(1846)年にオランダから伝来しました。“とハッキリと記されているそうです。
1846年というと日本は江戸時代。当時オランダから幕府へ献上されたギヤマン(ガラス製品)の外箱の詰物としてこのシロツメグサを乾燥したものが使われていました。今でいうプチプチや発泡スチロールの緩衝材。
そこから名称が「詰草(ツメクサ)」になったというわけです。さらに箱の底にこぼれていた種子を蒔いたところ、芽が出て育ち、見たこともない白い花が咲いた。これがシロツメグサの日本上陸ルートとされています。
その後も牧草用として輸入され、野生化したものが広がり現在はすっかり日本に定住。
シロツメグサ(白詰草):マメ目 マメ科 シャジクソウ属、ヨーロッパ原産、桃色のアカツメグサ、黒色ノクロツメグサもあります。
牧草として適していたのはタンパク質やミネラルの含有量が高く、また、根の中に窒素を取り込むマメ科の特性を活かして、土に漉き込み他の作物の肥料=緑肥(りょくひ)としても利用されていました。レンゲソウと同じです。
可愛らしいイメージしかなかったシロツメグサですが、ナチュラルなエアパッキンに牧草、緑肥、意外にも色々な役割をもって日本にやってきた植物なのですね。
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