サルノコシカケが生えた木は危険?白色腐朽菌による倒木リスクと判断基準|四日市松本城址コナラ調査
- 飯島 一郎

- 4月18日
- 読了時間: 3分
更新日:5月30日
四日市市松本地区に残る小さな丘へ、コナラの芽吹きと腐朽状態の確認調査にいってきました。
松本城址。1204年、三日平氏の乱でこの地域を治めた松本氏が本城として構えたとされる史跡です。いまは新興住宅地に囲まれ、松本神社の境内として残っています。

調査の経緯 ─ 外観は立木、しかし樹勢が衰えていた
800年前に人の手が入り、武家の森として管理されてきたこの丘が、いまは別の意味で人の手を必要としています。
今年1月、コナラ2本の伐採依頼をいただきました。外観は立木に見えますが、樹勢が衰えている2本のコナラを確認。芽吹き後に登れる箇所を確認してから着工するという約束で、4月17日に再度調査に訪れました。

サルノコシカケの確認 ─ 白色腐朽菌による心材腐朽
コナラ1本目。幹の中ほどに、サルノコシカケが2段ついていました。半円形の茶褐色のキノコが幹から水平に張り出し、根元には縦方向に黒く変色した跡と樹皮が剥がれかけた箇所がありました。
見上げると、左側の枝はすべて枯死しており、右側の枝だけにかすかに若葉が開きはじめていました。

サルノコシカケとは ─ 内側から木を蝕む仕組み
サルノコシカケは白色腐朽菌の一種です。木材の細胞壁を構成するリグニン・セルロース・ヘミセルロースをすべて分解し、材の強度を内側から失わせていきます。
外から見えているキノコ(子実体)が現れた時点で、内部の腐朽はすでにかなり進んでいます。幹の中程以上にサルノコシカケが確認できる場合、強風や台風時に前兆なく幹が折れることがあります。
樹勢回復の手段はなく、周囲に人や建物がある場合は早期の専門家による診断と、状況に応じた伐採の検討が必要です。

コナラ2本目 ─ 立地リスクによる判断
コナラ2本目は隣地の住宅と近い距離に立っており、このまま成長が続けば、万が一の倒伏で家屋に影響が及ぶ可能性があります。こちらは内部腐朽ではなく、立地リスクによる判断で伐採を提案させていただきました。

800年の森をどう管理するか
かつてこの丘の森は、外から押し寄せる力を遮るための防御の木々が茂っていました。しかし今では住宅地の真ん中に残り、まわりの家屋が森を囲む形になっています。
城跡に残る木々を伐ることは、この土地の記憶を薄くすることでもあります。それでも、倒れることで人が傷つく可能性がある木を残すことはやはり難しい。丘陵地という立地も考慮しながら、森のゾーニング計画を立てて慎重に手入れを進めていくことが大切な、歴史ある森です。
里山的な管理手法が通じない場所もあります。それでも人と森が共存できる環境づくりを提案・実施していくことが、私たちにとっても森にとっても、これから長く続けていくうえで大事なことだと感じています。
剪定屋空では、四日市市・菰野町・鈴鹿市など三重県内の危険木診断・伐採を承っています。サルノコシカケや樹勢の衰えが気になる場合はお気軽にご相談ください。
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