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子供も大人も夢中になる場所がある。その名は川。自然観察会のお手伝い

  • 執筆者の写真: 飯島 一郎
    飯島 一郎
  • 5月17日
  • 読了時間: 4分

更新日:5月17日


怖い。ぬるぬるする。蚊がいる。

最初はそう思う。でもそれが川だ。


でも足を踏み入れれば、そこにはいっぱいの不思議と発見が満ち溢れている。


2026年5月、四日市市の竹谷川で、学童かざみどりKidsの川の観察会のお手伝いをしました。

子ども25人・大人8名、合わせて33名で川に入り、生き物を14種採集しました。


その中に、絶滅危惧種のニホンイシガメと準絶滅危惧のスナヤスメが含まれていました。


四日市市竹谷川の橋の下を全員で進む様子

竹谷川は、海蔵川の支流です。四日市市の市街地を流れる、ごく身近な川です。


かつては護岸工事によって生物が激減した時期がありました。しかしその後、地域の人々が長年かけてケアし続けた結果、今ではゲンジボタルが確認されるまでに戻っています。


ホタルの幼虫が食べるカワニナが生息しているということは、水の中に食物連鎖が成立しているということ。水質の数値だけでは見えない、川の健全さがここにあります。


工事で消えた命が、人の手で戻ってきた川。それが竹谷川です。


良江さんがタモ網で採集中の様子

今回の観察会は、学童かざみどりKidsのサタデースクールとして開催されました。


参加した子どもたちは最初、川に入ることをおっかなびっくりしていました。護岸の階段を恐る恐る降り、ぬめる石に足を取られながら。


それでも、網に最初の生き物が入った瞬間から表情が変わります。自分で採ったという感触が、怖さをそっと押しのけていきます。生き物を入れた観察ケースを、子どもたちが夢中になって覗き込んでいました。


観察ケースのニシシマドジョウとハグロトンボのヤゴ

採集できた生き物は14種でした。


魚類は7種。スナヤスメ・ニシシマドジョウ・ヨシノボリ・オイカワ・タモロコ・ウキゴリ・ドンコ。甲殻類は3種。スジエビ・ヌマエビ・モクズガニ。水生昆虫はハグロトンボのヤゴとオニヤンマのヤゴの2種。


爬虫類にニホンイシガメ。外来種のアメリカザリガニが1種確認されました。


オイカワはオスの婚姻色が美しく、網の中で赤・青・金に輝いていました。ドンコはハゼ科の肉食魚で、扁平な大きな頭が特徴的。子どもたちがいちばん驚いた魚のひとつでした。

ニホンイシガメの背甲。黒と朱色の模様が美しい

今日の主役は、ニホンイシガメでした。絶滅危惧II類(VU)に指定されている、日本固有のカメです。


ニホンイシガメが減少している主な理由は、外来種との競合です。各地の川でよく見かける耳の赤いカメ、ミシシッピアカミミガメが強い繁殖力と環境適応力で在来のイシガメを圧迫しています。ニホンイシガメを守るためには、ただ保護するのではなく、この川のように生息環境ごと守り続けることが必要です。


そのイシガメが、四日市市街地を流れる竹谷川に生きていた。良江がイシガメを子どもたちひとりひとりに手渡しで見せていくと、その場の空気が変わりました。


甲羅から顔を出すニホンイシガメ
ニホンイシガメの顔アップ

今日のもう一つの発見は、スナヤスメでした。


スナヤスメは、準絶滅危惧(NT)に指定されている魚です。ヤツメウナギの仲間で、ヒレがなく目の後ろに7つの鰓孔(さいこう)が並びます。


砂に潜って暮らす、原始的な魚。この魚が棲みつけるということは、川底に粒度の整った砂が安定して堆積しているということ。水質だけでなく、川床の環境が健全である証拠です。


絶滅危惧II類のニホンイシガメと準絶滅危惧のスナヤスメ、希少種2種を同じ日に採集できたのは、竹谷川が数値には表れない豊かさを持っているからだと思います。


橋手前の区間で採集する子どもたち

剪定屋空の仕事は、木を切ることではなく、木が生きている環境全体を見ることです。


庭の木も、山の竹林も、川の生き物も、つながっています。竹が茂りすぎれば斜面が崩れ、川に土砂が流れ込む。落ち葉が川に落ちて、川の生き物の餌になる。川の水がきれいなら、川に隣接する庭木の根回りの水も健全なまま保たれます。


川の観察会に関わるたびに、木を切る理由が深くなります。



よくあるご質問

Q. 子どもと一緒に川に入るとき、何を準備すればいいですか?

A. タモ網・観察ケース・長靴またはウォーターシューズ・着替えがあると安心です。川に棲む生き物のほとんどは石の下や水草の根元に隠れているので、そっとタモ網を置いてから石をひっくり返すと採りやすいです。外来種のアメリカザリガニは環境省の指定により採取後の再放流が禁止されています。


Q. 竹谷川のような里川の水質はどのように判断できますか?

A. 水生昆虫の種類が一つの目安になります。ハグロトンボやオニヤンマのヤゴは、環境省の全国水生生物調査で水質階級I(きれいな水)の指標生物に指定されている清水性の種です。これらが確認できる川は、水質が良好に保たれているサインです。カワニナはゲンジボタルの幼虫の餌となる巻き貝で、生息確認は川の食物連鎖が成立している証拠です。水質指標としては階級II(やや汚濁した水でも生息可能)に分類されるため、清水性の水生昆虫とは区別して考えるとより正確です。


Q. 里山や川の環境と、庭の管理はどのようにつながっていますか?

A. 庭の落ち葉は川の生き物の栄養源になり、川の水は土壌の水循環を支えます。お庭の木を健全に管理することは、その庭が属する生態系全体を支えることにもつながります。生物多様性と庭管理についてはこちらの記事もご覧ください



 
 
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