森のお手入れ(1日目)と枯れ枝のしくみ-三重県鈴鹿市・くまだ子ども園さんにて
- 三重県剪定伐採お庭のお手入れ専門店 剪定屋空

- 1 日前
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三重県鈴鹿市にある くまだ子ども園 さんの園内の森のお手入れに伺いました。
園舎の裏手に広がる小さな森には、欅(ケヤキ)をはじめ、タブノキ、桜、クヌギなど、子どもたちを見守るように大きく育った木々が立っています。
今回は、

欅の太い枯れ枝の撤去
タブノキの越境枝(お隣の敷地に張り出した枝)の強剪定
桜やクヌギの枯れ枝撤去
を中心に、頼もしい助っ人お二人にも加わっていただき、ロープワークとユニックによる高所作業を含めて順調に進めることができました。
子どもたちが遊ぶ園庭のすぐ横ですので、落ちてほしくない枝より一歩手前で手を入れておくことが、何より大切になります。
なぜ枝は枯れるのか ― 樹木のセルフ・プルーニング

枝が地面に落ちる前に、まずは枝そのものが枯れるという段階があります。
実はこれは、単に弱ったからではなく、樹木側の視点で見ると、かなり合理的なしくみです。
1. 光の当たらない枝は木にとって赤字になる場合がある。

大きく育った欅やタブノキの内部は、葉が重なり合ってかなり暗くなります。
そうすると、幹の内側や下の方の枝は日照が足りず、光合成でつくれるエネルギーより呼吸や防御に使うエネルギーの方が多くなりがちになります。
樹全体から見ると、その枝は頑張ってもマイナスになってしまう場合がある。
すると樹木は、そこへの水や養分の供給を少しずつ絞り込み、成長も止まり、葉の量も減り、最終的にはその枝だけが部分的に枯れていく枝枯れの方向へ向かいます。
2. 乾燥や根元のストレスでも枝先から弱っていく
もう一つは、水のストレスです。
長く雨が少ない
夏の暑さで空気が乾きすぎる
根元が踏み固められて根が伸びにくい
といった条件が続くと、枝の中の水の通り道(導管)に細かな空気の泡が入り、通水が途切れてしまうことがあります。
これをキャビテーションと呼びます。
通水が途切れた枝先や細い枝は、水が届かないために他の部分より先に弱り、先端から徐々に枯れ込みやすくなると言われています。
3. 病害虫がきっかけになる枝枯れも

枝枯病や、幹や枝に穴をあける昆虫が入った場合も、その部分だけで水や養分の通り道が遮られ、局所的な枝枯れが起きます。
欅に特別な病気があるというよりは、
都市・園庭の環境(舗装・乾燥・強い剪定歴)によるストレス
そこに一般的な病害虫が重なること
で、枝の一部が弱りやすくなる、というイメージに近いです。
枯れ枝はどうやって落ちるのか ― 2つのパターン
そうして枝が枯れたあと、実際に地面へ落ちるプロセスには、大きく分けて二つの段階があります。
1. 樹木が自分で枝を切り離す「自動剪定(cladoptosis)」
一つ目は、枝の基部に離層と呼ばれる切り離しの帯をつくり、自分で枝を手放すやり方です。
専門用語では cladoptosis(クラドプトーシス) と呼ばれます。
流れをかんたんに書くと、
樹木がこの枝は維持する価値が低いと判断する
その枝へ送る水や養分を減らし、基部にコルクのような防御層を作る
その帯のすぐ上で細胞の結びつきを弱める
そこに風や枝自身の重みが加わると、パキッときれいに分離
幹側にはつるりとしたこぶのような跡が残り、病原菌の侵入を防ぐ
という仕組みです。
いつの間にか細い枝が落ちていて、幹側を見上げると、丸く滑らかな瘤のような痕がある
という状態は、この自動剪定が働いた結果であることが多いです。
欅のような大きな広葉樹では、細枝〜中くらいの枝でよく見られる現象です。
腐朽+風などの荷重で結果的に折れるパターン
もう一つは、より太い枝で起こりやすいパターンです。
内側の枝や下層の枝が日陰やストレスで枯れる
枯れ枝の基部から、枯れ木を好むキノコ類や虫が入り、少しずつ材が腐りやわらかくなる
強風・台風・着雪・葉や実の重みなどがかかったときに
強度が落ちた基部から一気に折れて落ちる
この場合、枝のつけ根の断面はややギザギザしていて、ときには幹側の樹皮がめくれ裂けを伴うこともあります。
欅のような大径木で、数mクラスの太い枝が落ちてしまうケースは、ほとんどがこのタイプだと考えられています。
長い年月のあいだの乾燥や根元のダメージ、内部の腐朽といったストレスが下地にあり、その結果としてある日大きく折れてしまう、というイメージです。
子どもたちの遊ぶ場だからこそ、森のお手入れを


また林床に光が差し込む事で地中に眠る埋土種子から新たな生命が誕生してきます。
くまだ子ども園さんの森でも、今回のように
欅の太い枯れ枝
タブノキの越境枝
桜やクヌギの枯れ枝
を中心に、樹木の成り立ちと子どもたちの安全のバランスを取りながらお手入れをさせていただきました。
樹木の側から見れば、
光の当たらない枝を手放し
根や幹を守るために枝を減らし
時には自分で枝を切り離す
というのは、とても合理的な適応です。
ただ、人の暮らしや子どもの遊び場と隣り合う場所では、
どの枝を人間が剪定していくのか
枝は人が先に手を入れてあげるべきか
を見極めることが、安全面でも景観面でも大切になってきます。
同じ枯れ枝でも、
なぜそこが枯れたのか
どういう落ち方をしやすい枝か
その木が今、どんな環境で生きているのか
を知っておくことで、森や園庭のお手入れの仕方は変わってきます。
剪定屋空では、こうした樹木生理の視点と、現場での安全管理の視点を両方大事にしながら、保育園・幼稚園・学校などの樹木管理のお手伝いもさせていただいております。
園庭の大木や、園内の森の枯れ枝・安全性が気になる際は、どうぞお気軽にご相談ください。







