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朝顔の別名「牽牛花・蕣花」の意味と由来|薬草として渡来した夏の花の文化史

  • 執筆者の写真: 三重県剪定伐採お庭のお手入れ専門店 剪定屋空
    三重県剪定伐採お庭のお手入れ専門店 剪定屋空
  • 2023年8月8日
  • 読了時間: 3分

更新日:3 時間前

赤紫色のアサガオが咲いていました。ラッパ型の丸い顔、軒下の棚に絡まって咲く姿はやはり夏の風情です。



アサガオはヒルガオ科サツマイモ属。日本的なイメージがありますが、原産は中央〜北アメリカです。奈良時代に中国から薬草として渡来し、日本の夏を代表する花になりました。


牽牛花(けんぎゅうか)── 牛と引き換えの薬草


朝顔の別名のひとつが「牽牛花(けんぎゅうか)」。なかなか読めない難しい字ですが、この名前には面白い由来があります。


朝顔の種子は漢方薬として非常に重宝されました。「牽牛子(けんごし)」という名で古くから使われ、下剤・利尿薬として珍重されていたのです。その薬効があまりに高かったため、農民が大切な牛を引いて(牽いて)市場に持ち込み、薬草と交換したという逸話が残っています。「牛を牽いて行くほど価値ある花」──それが牽牛花の語源です。


朝顔の英名は Morning glory(モーニンググローリー)ですが、漢方圏ではこの「牽牛花」の名前で長く使われてきました。



蕣花(しゅんか)── 一日で散る花への敬意


もうひとつの別名「蕣(しゅん)」は、中国古来の詩文に使われてきた言葉です。朝に咲いて昼には散る無常の美を表現してきました。


日本語でも「朝に咲いて夕に散る」という儚さのシンボルとして詠まれてきました。「蕣花一日の栄」という言葉もあります。朝顔という和名も、朝に美しい顔を見せてくれることから。名前が時間を閉じ込めているのです。


七夕と牽牛── 織姫と彦星の橋渡し花


牽牛といえば、七夕の「彦星(牽牛星・けんぎゅうせい)」。中国では牽牛花が七夕の頃に咲くことから、織姫と彦星が無事に出会えた喜びを表す花とされてきました。


花言葉も「愛情」「結束」「固い絆」など愛に絡んだものが多いのは、この七夕伝説との深い結びつきがあるからです。夏の暑さの中でも涼し気な紫や青の花を咲かせながら、二人の再会を祝福してきたのでしょう。



奈良時代に渡来した薬草が、日本の夏へ


奈良時代、遣唐使が中国から持ち帰ったアサガオは最初、観賞用ではなく薬草として栽培されました。やがて江戸時代には園芸品種の改良が盛んになり、複雑な形の変化朝顔が作り出されるほど庶民に愛されるようになりました。


現代の朝顔の花色は赤紫・青・白・絞り模様など多様ですが、その原点は漢方の一剤として海を渡ってきた小さな種子にあります。牛と交換されるほどの薬草が、いつしか日本の夏を彩る花になりました。


三つの名前が指し示すもの── 牽牛花、蕣花、朝顔。どれも同じ花ですが、それぞれが異なる視点でこの花の本質をとらえています。薬としての価値、時間の儚さ、朝の美しさ。名前を知ることは、花の歴史を知ることです。


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朝顔の育て方・グリーンカーテンへの活用・品種の違いについては、こちらの記事でまとめています。

→ 朝顔の文化史・品種・グリーンカーテンを完全ガイドで見る


 
 
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