モミジバフウの紅葉と、舗装を持ち上げる根。街路樹に多い理由

更新日:9月8日
公園や街路樹によく見かけるグリーンとイエローそして赤色の紅葉が美しい樹木。5枚に分かれたモミジのような形の葉「モミジバフウ」(アメリカフウ)です。

紅葉葉楓(モミジバフウ):北アメリカ原産、フウ科(従来はマンサク科)の落葉樹。アメリカフウが正式名称のようですが、モミジに似た葉の形から日本ではモミジバフウという呼び方がポピュラーかもしれません。日本へは大正から昭和初期に渡来し全国の街中風景に溶け込んでいます。
育つと樹高20mほどにもなる大木のため一般家庭の庭木としては難しい樹木ですが、耐暑性、耐寒性ともにある丈夫な植物なので、公共施設や街路樹、公園にはマッチ。動物が食べない葉なので動物園に植樹されているケースも多いようです。
雌雄同株で花弁のない花を5月頃に開花、結実するとトゲトゲのまるい果実になり枝からぶら下がり翼のついた種を飛ばします。ユニークな形の落ちた実はリースやクラフト材料としても人気が高い素材ですね。

アメリカフウの実でクリスマスやお正月に向けてナチュラルリースを作ってみようかなという人は、ドングリや松笠、メタセコイアやヒノキの木の実も同様ですが、下処理として熱湯処理か煮沸処理、冷凍処理をして防虫対策を。植物によって向き不向きの方法があるので調べて選択し処理後の乾燥もしっかりと行いましょう。
今年は暖冬で紅葉も遅れ気味とはいえ、アメリカフウの緑黄赤色のグラデーションが楽しめるのも秋から冬へと移行するつかの間の時期。通勤通学、買い物の途中、歩道の脇の街路樹を見上げてみませんか?今だけの息をのむほど美しい風景に出逢えるかもしれませんよ。
街路樹のモミジバフウには、地面の下にもう1つの話があります。
根が舗装を持ち上げることがあります。国の研究機関が全国12樹種739本の街路樹を調べたところ、縁石や歩道が持ち上げられる根上がりは63.5パーセントで起きていました。幹周が100センチを超えた木では約90パーセントです。
福岡県の海の中道海浜公園で、実際に根を掘り出したモミジバフウの記録があります。樹高8.5メートル、幹周85センチ、枝張り4.7メートル。植えられていた桝は1.5メートル四方でした。
根はその桝に収まりきらず、縁石の下をくぐって、西へ8.2メートル先まで達していました。枝張りの1.7倍です。縁石を持ち上げていた根は、太さ45ミリから71ミリありました。

木の下に立って見上げると、枝の広がりがそのまま根の広がりに見えます。実際には倍を超えて伸びています。
同じ調査で、根上がりが起きやすい条件も出ています。幹から縁石までが35センチより近いと、発生は50パーセントを超えました。歩道の幅が幹の直径の16倍以下になったときも、同じく50パーセントを超えています。
舗装が持ち上がるのは、木が強すぎるからではありません。根が伸びられる場所が1.5メートル四方しかなかったからです。
お庭でも同じことが起きます。大きくなる木を狭い場所に植えると、根は必ず外へ出ます。モミジバフウが一般家庭の庭木として難しいのは、樹高20メートルという地上の高さだけの話ではありません。





