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黄色い彼岸花の名前はショウキズイセン。三重で見かけるのは、誰かが植えたものです

  • 執筆者の写真: 飯島 一郎
    飯島 一郎
  • 2021年11月12日
  • 読了時間: 4分

更新日:8月4日

赤い彼岸花が並ぶ田んぼの畔に、一株だけ黄色が混じっていることがあります。品種の違いというより、そこに誰かが植えたという跡です。


黄色い彼岸花キイロヒガンバナ(ショウキズイセン)

黄色い彼岸花の正体はショウキズイセン


黄色いヒガンバナとして最もよく見かけるのが、ショウキズイセン(鍾馗水仙)です。学名は Lycoris traubii、シノニムに Lycoris aurea があります(出典:ショウキズイセン - Wikipedia熊本大学薬学部薬用植物園 薬草データベース)。


ヒガンバナ科ヒガンバナ属の多年草で、球根で増えます。赤い彼岸花(マンジュシャゲ)と同じ属の仲間です。


黄色い彼岸花ショウキズイセン。細く反り返った花びらと長く伸びた雄しべ、葉のない一本の茎

赤より少し遅れて咲く


赤い彼岸花が秋分の頃に咲きそろうのに対して、ショウキズイセンの花期は9月末から10月中旬とされています


赤が終わりかけた頃に黄色が開く。同じ属でも、咲く時期がずれています。だから両方が同時に並ぶ景色は、意外と長くは続きません。


三重で見る黄色は、植えられたもの


ここが大事なところです。


ショウキズイセンの自生地は四国から九州、沖縄、そして中国や台湾の暖かい地域です(出典:みるしる林野庁 西表森林生態系保全センター 資料


つまり三重県で目にする黄色い彼岸花は、野に生えてきたものではありません。誰かが球根を持ってきて、そこに植えたものです。庭先の一株、寺の脇の数輪、畑の隅の群れ。どれも人の手が入った跡だと考えていい。


赤い彼岸花も同じです。畦や土手に群れているのは自然に広がったからではなく、リコリンというアルカロイド系の毒を持つことから、虫除けや獣除け、雑草除けとして人が植えたと考えられています。


彼岸花が咲いている場所は、人が手を入れてきた場所です。黄色が一株混じっていたら、その手はもう少し近い時代のものだということになります。


赤い彼岸花の群れ。畦や土手に群れているのは人が植えた跡

鍾馗という名前


ショウキズイセンの鍾馗は、中国の民間伝承に伝わる魔除けの神です。豊かな髭を蓄えた姿で描かれ、日本では疱瘡除けや学業成就を願って屏風や掛け軸に描かれ、端午の節句に絵や人形を奉納する風習もありました。


花びらが縮れたように反り返る様子が、あの髭に見立てられたのでしょう。


彼岸花には死人花や地獄花や幽霊花といった、こわい響きの別名が並びます。そのなかで黄色い一種だけが、魔を払う神の名を背負っている。同じ属でも、人が受け取ったものはずいぶん違ったようです。


庭にある場合、どう扱うか


ここからは剪定屋空の実務の話です。庭の隅に彼岸花があって、どう扱えばいいか迷う方が毎年いらっしゃいます。


冬の庭。花の終わった彼岸花は細い葉を茂らせて球根に養分を送る

花が咲かなくなったとき


毎年咲いていたのに花が上がらなくなった。この相談の原因は、だいたい次のどれかです。


- 球根が混み合っている。分球を繰り返して密集すると花つきが落ちます。地表に球根が見えてきたら掘り上げて分ける時期です - 冬に葉を刈っている。養分が球根に戻らず、年々やせていきます - 日が当たらなくなった。周りの木が育って日陰になっている場合、彼岸花ではなく上の木の剪定が答えになります


三つ目は、私たちがよくお預かりする形です。足元の草花が咲かなくなったという相談が、実は高木の話だったということが起こります。


よくあるご質問


ショウキズイセン(鍾馗水仙)です。学名は Lycoris traubii。ヒガンバナ科ヒガンバナ属の多年草で、赤い彼岸花と同じ属の仲間です。


植えられます。ただし球根に毒があるため、小さなお子さんやペットが掘り返す場所は避けてください。また植え替えを嫌う植物なので、数年動かさずに済む場所を最初に選ぶことをお勧めします。


6月から8月の休眠期です。葉が黄変して枯れ上がってから掘り上げ、自然に分かれた球根を離して植えつけます。掘り上げた球根は乾燥させないよう、すぐに植え替えてください。


庭の一株から、その庭の歴史が見えることがあります


黄色い彼岸花が一株あるということは、誰かがそこに球根を運んだということです。いつ、誰が、何を願って植えたのか。それは記録には残っていないことが多い。けれど毎年、同じ場所で咲くことで、その手の跡だけが残り続けます。


剪定屋空は三重県菰野町を拠点に、四日市市・鈴鹿市・亀山市・いなべ市・桑名市などで庭木の剪定と年間管理をしています。足元の草花が咲かなくなった、庭が暗くなってきた、といったご相談も承ります。庭を診るときは、木だけでなく、その下で何が起きているかまで見ます。


年間管理のご案内はこちらをご覧ください。 庭木の剪定について お問い合わせ

 
 
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