本来、白梅より少し遅れて咲く紅梅、この樹はまだ少しツボミも多く見られました。

バラ科サクラ属、和のイメージが強いですが元々は中国から渡ってきた花、白梅の後に渡来したそうですが、当時の人々はこの鮮やかな紅い花に心を魅了されたことでしょう。
その愛され度の高さを示すかのように、梅の名を持つ色「和色」は数多く、代表色はもちろん「紅梅(こうばい)」。その中でも色の濃淡によって「薄紅梅」「中紅梅(なかこうばい)=「紅梅」を指す」「濃紅梅(こきこうばい)」などの色も存在します。
日本の伝統食色見本でザっと見ただけでも、栗梅(くりうめ)、梅染(うめぞめ)梅紫(うめむらさき)、灰梅(はいうめ)、薄梅鼠(うすうめねず)・・・などなど多数の色が。
灰梅は着物の色彩として流通していて、赤みをほんのりと含むベージュ、梅鼠もまたほんのりと紅をかけたグレー、どちらもナチュラルさと少しだけ甘さや温かさを加えたエッセンス、大人女子に好まれそうなカラーですよね。
そして梅自体の花色にも区分があり、花びらにツヤのある明るい紅色を「本紅」、つぼみのうちはピンクで開花すると白に変わるものを「移白(うつりじろ)」、つぼみのうちは白い色で開花すると紅色になるものは「移紅(うつりべに)」、花弁の周辺が縁取りしたように紅く芯の部分が淡い色を「口紅」、と4種類に分類されているそう。
趣のある特別な色の呼び方も、平安時代、江戸時代、そして現代と梅が愛されてきた証なのかも。
ちなみに紅梅の花言葉は「優美」。白梅の花言葉は「気品」白、紅、どちらの梅の色も魅力的です。