子どもたちが安心して森を走り回れるように園内森のお手入れ
- 三重県剪定伐採お庭のお手入れ専門店 剪定屋空

- 3 時間前
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二日目の森のお手入れ
三重県鈴鹿市のくまだ子ども園さんの園庭には、小さな森があります。
その森の二日目のお手入れとして、

サクラ
ケヤキ
イチョウ

を中心に、枯れ枝の撤去と、将来支障になりそうな枝の大抜き剪定を行いました。

もともと素直で美しい樹形の木が多いので、形を変えすぎないことを心がけながら、
子どもたちの動線の真上に危ない枝が残っていないか
交差枝や、将来折れそうな重い枝を今のうちに軽くできないか
一本ずつ確認しながら進めました。

作業の仕上げには、根がしっかり張れるように軽く肥料も施し、土台から子どもたちを包む森の土台もを整えています。
都市の緑に潜む静かな危険
公園や街路樹の木陰は、本来、子どもたちにとって一番安心できる場所であってほしいところです。しかし近年、全国の公共空間では、次のような樹木事故が続いています。

長さ2.3m・重さ3.3kgのケヤキの枝が小学生の列の上に落下
長野県の公園では、根腐れしたポプラが根元から倒れ、ベンチを押しつぶす
数字だけ見ると3kgの枝と聞いても軽く感じますが、10m近い高さから落ちてくれば、大人の骨も折るほどのエネルギーになります。
まして体の小さな子どもにとっては、致命的な危険です。

事故の詳しい調査から分かってきたのは、
枝は数年前から枯れていた
幹や根の内部では、目に見えない腐朽が静かに進んでいた
それでも外側の葉は青々としていたため、元気な木と見なされていた
という共通点でした。
見えない腐朽と老木化という問題
都市の木が危険になる背景には、次のような要因があります。
心材腐朽と根株腐朽


幹の中の心材(枯れた木部)がキノコなどの腐朽菌に分解されても、外側の辺材(生きた部分)が生きていれば、木は葉を茂らせます。
見た目は元気でも、中は空洞という状態になりえます。
根元では、踏み固めや排水不良によって根が酸素不足になり、そこへ腐朽菌が入ると根株腐朽が進みます。
地下で支えが失われた木は、ある日突然、強風や自重で倒れることがあります。
高度成長期に植えられた木の一斉老朽化

全国の街路樹や公園樹の多くは、1960〜80年代にいっせいに植えられた木々です。
ケヤキやソメイヨシノ、ポプラなどが同じタイミングで老木の年齢帯に入っているため、
目立たない腐朽が同時多発的に進みやすい状況にあります。
気候変動による最後のひと押し

台風や線状降水帯による極端な風・雨
雨水を吸った幹や枝の重量増加(スポンジ効果)
これらが、すでに弱っていた木にとって最後の一撃となり、折損や倒木につながるケースが増えています。
目視点検だけでは拾いきれないリスク

多くの自治体では、街路樹や公園樹の一次点検を目視で行っています。
しかし、
地上からでは、樹冠上部の枯れ枝は見えにくい
幹や根の内部腐朽は、外からほとんど分からない
という限界があります。
その結果、
樹木診断で問題なしとされた木が、数年後に事故を起こす
事故のあとに慌てて精密検査や伐採が行われる
という後追い型の対応になりがちです。
本来は、
事故が起きてからではなく、 起こる前に、科学的診断と計画的な更新を行う
方向に仕組みを切り替えていく必要があります。
園庭や学校の森でできること
こうした全国の事故をふまえると、保育園・幼稚園・学校の樹木管理では、
次のようなポイントが大切だと感じます。
見上げる点検と専門家の連携

赤丸部分はすべて枯れている枝です。
教職員や保護者の方による日常的な見回りに加えて、ロープワークやや高所作業車で樹冠部まで近づける専門業者が、定期的に枯れ枝や傷みを確認する体制が望ましいと考えています。
必要に応じて、レジストグラフ(幹の内部抵抗を測る器具)やソニックトモグラフィー(音波で内部を画像化する装置)など、科学的診断も組み合わせることで、見えない腐朽を早めに見つけることができます。
ゾーニングと設備の配置替え

老木の真下にベンチや遊具を置かない
台風通過後数日間は、樹冠の下の通行を制限する
といったリスクの分散(ゾーニング)も有効です。
木をすべて伐るのではなく、どこで遊ぶか・どこに座るかを調整する発想です。
根と土を守る
倒木の多くは、地上部だけでなく根と土の問題も抱えています。

根元を車で乗り入れない
いつも同じ場所だけ強く踏み固めないよう、動線を分散する
必要に応じて土壌改良と施肥を行い、根が健全に張れる環境を整える
といった日常管理が、長い目で見た安全につながります。
くまだ子ども園さんの森から考える、これからの都市の森
今回、くまだ子ども園さんの森で行ったのは、
枯れ枝やリスクの高い枝を事前に取り除くこと
根が張れる土を整え、木の体力を高めること
でした。
全国で起きている事故の背景を知れば知るほど、落ちてほしくない枝を、落ちる前に落としておく
このシンプルなお手入れの大切さをあらためて感じます。
都市の緑は、私たちの暮らしにとって欠かせない存在であると同時に、管理を誤れば静かな凶器にもなりえます。
子どもたちが安心して空を見上げ、森の中を走り回れるように。
剪定屋空は、園庭や学校、公園などの現場で、
樹木の健康
子どもたちの安全
そして風景としての美しさ
この三つが両立するようなお手入れを、これからも続けていきたいと思います。
園内の大木や森の安全について気になる点がありましたら、どうぞお気軽にご相談ください。







