実はアザミという花は存在しない?100種類以上の品種「アザミ」
- 飯島 一郎

- 2023年7月26日
- 読了時間: 3分
更新日:5月2日
実は植物学的にアザミという名の花は存在せず、これはキク科アザミ属(Cirsium)の植物全体の総称です。私たちが身近でよく見る紫色のトゲトゲした花は正式にはノアザミと言い、日本固有種です。世界には300種以上のアザミ属があり、日本だけでも100種類以上が知られています。

ノアザミ(野薊)はキク科アザミ属の日本固有種で、本州・四国・九州の草地や林縁に自生しています。ブラシのような形状の赤紫色の花を上向きに咲かせ、葉のトゲが触ると痛いほど鋭いのが特徴です。開花時期は5月から8月で、白花品種も見られます。
アザミという名前の由来は、古語のあざむ(傷つける・欺く)やあざ(傷)に由来するという説があります。トゲが人を傷つける様子から名づけられたとも。スコットランドの国花もアザミで、北欧バイキングの侵略者がアザミのトゲを踏んで悲鳴を上げ、そこで目が覚めたスコットランド人が撃退したという伝説が由来とされています。
アザミの基本情報
学名:Cirsium japonicum(ノアザミ)/ キク科アザミ属
別名:野薊(ノアザミ)。原産地:日本(本州・四国・九州)。多年草。
開花期:5月〜8月。草丈:50〜100cm。山野・草地・林縁に自生。耐寒性・耐暑性ともに強い。
知っておきたい豆知識
牧野富太郎博士の牧野日本植物図鑑にはアザミの種類が多数掲載されており、朝鮮薊(チョウセンアザミ)の記録もあります。ただしチョウセンアザミは現在ではアーティチョークとして知られる食用植物で、アザミ属ではなくチョウセンアザミ属(Cynara)に分類されます。同じく見た目が似たカルドンもアーティチョークの近縁種です。日本のアザミ属の多様性は世界有数で、島ごとに固有種が分化した事例も多く見られます。

よくあるご質問
アザミという花は存在しないとはどういう意味ですか?
アザミはキク科アザミ属(Cirsium)に属する植物の総称で、アザミという固有の種は存在しません。日本にはノアザミ・ナンブアザミ・ノハラアザミなど100種以上が自生しており、地域ごとに異なる種が見られます。私たちが日常的にアザミと呼ぶ植物のほとんどはノアザミです。
アザミのトゲは危険ですか?庭に植えても大丈夫ですか?
アザミのトゲは鋭く、素手で触れると刺さることがあります。庭植えの際は人通りの少ない場所や、ボーダーガーデンの後方に配置するのが安心です。ガーデニング手袋を着用して管理してください。トゲがあることで昆虫(特にマルハナバチ)が好んで訪れ、生態系の観点から有用な植物でもあります。
アザミは食べられますか?山菜として利用できますか?
ノアザミなど一部の種は山菜として食用に利用されています。春の若芽・若葉・茎を天ぷら・おひたし・煮物にできます。トゲがあるため下処理(湯がいてトゲを軟化させる)が必要です。花後の根も食用になり、きんぴらや煮物に利用されます。なおアーティチョークはアザミの近縁種で、花のつぼみを食べる野菜です。
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