日本に広く分布し、桜や楓などとともに広葉樹の代表ともされる樹木「欅(ケヤキ・別名に槻(ツキ)」。
すらりと伸びた幹に広がる枝、かたち良い葉をもつスタイル、春の芽吹きから夏に大きな木陰をつくる枝葉、秋に紅葉…樹木全体の佇まいが美しく素敵な雰囲気をもっています。
ニレ科の樹木で日本、台湾や朝鮮半島を原産国とし大きいものでは高さ30mにもなります。
欅(ケヤキ)の名称の由来には「けやけき木=ひときわ目立つ優れた木、美しい木」という意味があり、ケヤキの別名「欅(ツキ)」という名前は、ツキ=強き木、丈夫な優れた木、という意味合いがあるそうです。
古くから材木としての強さと美しさは珍重され、耐用年数は800年~1000年もあるケヤキは神社仏閣、城の建材として使われることも多く、あの清水の舞台を支えている木材にもケヤキが使われています。
また和太鼓に最適な木材でもあるそうで、音を反響させやすい弾力と重さ、強度と耐久性、そして美しい木目、使い込むほど艶がでて深みが増す質感もあり最高の木材とされているそう。
また、万葉集には「神聖なケヤキ」を意味する「斎槻(ゆつき)(いわいつき)」という言葉も登場するそうです。
ケヤキの美しい立ち姿を見ていると、人は古代からこの樹木を木材としての利用価値だけでなく、その根や幹、枝葉に美しさ、神聖さという魅力を感じ神格化していたようにも思えます。