人が作った庭が、いつか生き物の最後の砦になる
- 三重県剪定伐採お庭のお手入れ専門店 剪定屋空

- 14 時間前
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三重県で庭の仕事をしていると、毎年感じることがあります。鳥の種類が減っているということです。シジュウカラは来るが、ホオジロはめったに見ない。モズが縄張りを張っていた場所に建物が建った。お庭をお預かりするたびに、この庭は今どんな生き物の居場所になっているだろうと考えます。
都市化が進むほど、庭の価値は上がる
日本の市街化区域面積は、この50年で大きく広がりました。田んぼ、雑木林、草地——こうした生き物の生息地が、舗装と建物に変わっていきました。行き場を失った昆虫、鳥、小型哺乳類は、今や都市公園と個人の庭だけを頼りにしている場合があります。
都市生態学の研究では、個人の庭を総面積として見ると都市緑地の大きな割合を占めることが示されています。英国の調査では、都市部の緑地の約3割が民有の庭でした。日本でも同様の構造があると考えられており、庭の一枚一枚が、生物多様性を支える最後の砦になりつつあります。

庭の木が支える食物連鎖
昆虫は植物の葉を食べます。鳥は昆虫を食べます。鳥を呼びたいなら、昆虫が来る庭にする必要があります。昆虫が来る庭にするためには、昆虫が利用できる植物が必要です。
アメリカの生態学者ダグラス・タラミーの研究では、在来種のコナラ類は500種以上の鱗翅類の幼虫が利用するのに対し、外来の観賞樹木はほとんど利用されないことがわかりました。見た目が美しくても、生き物にとって利用できない木というものがあります。在来種の木をきれいに管理することではなく、在来種の木を残すことが、生態系への最初の貢献です。
在来種の木が呼ぶもの
三重県北中部に自生するコナラ、クヌギ、エノキ、ヤマザクラは、この地域の昆虫が何万年もかけて関係を築いてきた植物です。一方で外来の観賞樹木は昆虫にとって見知らぬ植物であり、利用できる種が限られます。庭に在来種を1本加えるだけで、訪れる昆虫の種類は増えます。昆虫が増えれば、それを食べる鳥も来るようになります。

廊下として機能する庭
孤立した緑地は生き物が行き来できず、やがて局所絶滅します。緑地と緑地をつなぐ廊下が必要です。個人の庭はその廊下の一部になれます。隣の庭、公園、社叢——このつながりの中に庭があることが、生き物の移動を支えます。
剪定屋空が庭木の管理をするとき、必要な枝を切ることと、生き物の居場所を残すことは矛盾しません。どこに巣があるか、どこに虫がいるか。その上で手を入れる方法を考えることが、長く付き合える庭づくりだとぼくたちは考えています。
豆知識
在来樹木と外来樹木で支えられる昆虫の多様性に大きな差があることは、生物地理学・生態学の分野で繰り返し確認されています。ダグラス・タラミーは著書 Bringing Nature Home(2007年)で、在来植物の保全が都市の生物多様性の根幹だと述べています。庭の木の選択が、生き物の未来を左右するという視点です。
よくあるご質問
どんな木を植えると鳥が来やすいですか?
実のなる在来種が効果的です。ヤマザクラ、カキ、エゴノキ、コブシなど。実は鳥の食料になり、花は昆虫を呼びます。葉が密でなく枝が広がる木は巣づくりにも使われます。
剪定すると生き物が減りませんか?
適切な剪定なら、むしろ光が入って下草が育ち、多様な生き物が増えます。問題になるのは、巣がある時期に枝を大きく落とすことや、すべての葉を取り除く強剪定です。剪定の時期と範囲を慎重に決めることで、生き物と共存できます。
古い木は切ってしまった方がよいですか?
樹洞のある古木は、キツツキ類やフクロウ、コウモリの住みかになります。枯れ枝のある木は甲虫の産卵場所として多様性を支えます。リスクがある場合は除去が必要ですが、そうでなければ老木を残すことが生態系への大きな貢献になります。
対応エリア
四日市市、鈴鹿市、いなべ市、桑名市、亀山市、津市、松阪市、菰野町、朝日町、川越町、東員町、木曽岬町
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